笑顔を盾に本音を隠す【名探偵コナン】

第023夜 ページ23

ショッピングモール爆発事件から１週間が経った。

布団は無事届き、黒羽くんの部屋で寝ている。
“一緒のベッドで寝ればいいのに…”なんて言っていた様な気もするけど、空耳にしておいた。

彼の部屋から出て、彼の朝食を作り机の上に置いては制服に着替える。
太ももにいつものサバイバルナイフを付けて、家を出た。


「生きることを諦めるな……か」


あの事件の時に彼が言ってくれた言葉が心に響いた。
初めて言われた言葉だった。だから私はもう同じ過ちを繰り返さないと心に決めた。

教室に着き、自分の席に座る。

春が過ぎ梅雨に入った。
梅雨が明けたら私が嫌いな季節へ変わる。


「……早く夏終われ…」


そう呟きながら窓の外を見つめていた。









授業が始まり、みんなは静かに授業を聞いていた


ーーはずもなくいつも通りあの２人が先生を困らせていた。

中森さんのパンツの色とか…あの時の黒羽くんはカッコいいと思ったけど、こういうヤンチャなところを見るとまだまだ子供だな、と思う。

授業妨害をしている２人を見ているとスマホが震えた。
スマホの画面を開く。メールの送り主はコナンくんからだった。


【今度の日曜日、子どもたちとキャンプに行くんだけどお前も来るか？ あの話もするからよ。 工藤新一】


キャンプ、か。
うん、いいかも知れない。人目を気にせずにコナンくんと話せるなら私は全然OKだし…

そうと決まればすぐコナンくんに返事をーー


「あーー、授業中にスマホ弄ってる人がいまーす！」

「ンなっ！？」


いつの間にか私の後ろにいた黒羽くん。
彼が近寄ってきたことに気づかなかったなんて…、いやそれよりも、彼が言った言葉にクラスのみんなは私を凝視してくる。

クラスのみんなから“不良転校生だー！”って言われるようになった。
原因は爆発事件に巻き込まれた次の日から。黒羽くんと学校を抜け出したことにより、そう呼ばれるようになった。


「いやっ……、黒羽くん！
あなたは中森さんと夫婦喧嘩をしていればいいんですよ！」

「「そんなんじゃない！！」」


黒羽くんと中森さんが声を合わせながら即答で答えた。
そこまで息がぴったりなんだ、もはやカップルを通り越して夫婦よ！

私たち３人の言い争いを聞いていたクラスメイトたちは爆笑の渦に包まれていた。

黒羽くんのせいでコナンくんに返事が返せなかった……




　

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