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第010夜 ページ11

ポアロに来店して2時間くらいが経った頃。




「あっ、生クリームのストックがない!?」


「僕買いに行ってきますよ」


「すみません……お願いしてもいいですか?」




カウンターの方で何かがあったらしい。


そした安室さんはエプロンの紐を外しながら、出掛ける身支度を始め、お店を出ていく。
そんな光景を頬杖で見ているとポロン…とスマホが鳴った。




「……はぁ」




内容を読むと自然とため息が出てしまった。




「安室さんどこか行くんですか? だったら私も着いて行きたいですー!」


「えぇっ!? 繋ちゃん!?」


「ほら、お客さんも少しずつ動いてるし、ずっと居座るのも申し訳ないから、少しだけ席外すよ」


「繋ちゃんが居なくなるのは寂しい……」




しゅん……と落ち込む梓さんを見て少しだけ胸が痛む。

そんな事言われると席を外すのをやめようかなと思うも、またしてもポロンとスマホが鳴った。
スマホの画面を見ると【まだですか】とのメッセージが。




「梓さん、すぐ戻ってきますから!
また戻ってきたらお話ししましょう! ねっ?」


「うん。早く帰ってきて下さいね!」


「はい。行ってきます!」




自分の荷物を梓さんに預ける。




「帰って来たらお会計するので、預かってて下さい!」




私がそう言うと梓さんは快く返事をしてくれた。

必ず帰ってくる約束を交わして私もポアロを出て、安室さんを追う。




「全く、何が《Aも来てもらう》よ!
まぁ確かに? 安室さんといる時の約束事はしたけど、ちょっとお買い物で自分が離れるからって、何も私まで……」




ポアロを出てちょっとした所で足を止めて車道側へと向かい、車が来るのを待つ間、私はブツブツと言っていた。

これは私の本心ではないけど、貴方を待つのは結局私なんだよ?




「すみません…お待たせしました」


「うん、待たされました」




眉を下げる安室さん

私の言葉を聞いて更に眉を下げながら笑う。




「嘘。全然待ってないよ。さ、早く行こう?」




車に乗り込み、冗談を言うと安室さんは“全く…”と言葉を溢した。




「いつから冗談が言える繋になったのかな?」


「ふふ……、降谷繋になってからだよ」




そんな話をしながら、私たちはスーパーへと向かった。

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メイリュー(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます!まだまだ終わりませんよ!随時更新致しますので、お待ち頂けると嬉しいです。今後も宜しくお願いします! (5月4日 19時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
- もう更新はされないんでしょうか?一気見して最終章楽しみだと思っていたので残念です。 (5月4日 18時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メイリュー | 作成日時:2023年10月27日 2時

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