第053夜 ページ4
と、言う事で私達はスカイデッキへ行く事になった。
「皆さん、集まりましたか?」
そう問い掛けると子供達が元気よく返事を返した。
チーフ、スチュワードの浅野さんが案内をしていくれるらしい。
エレベーターに乗り込むと、ガラス張りになっていて、飛行船内部が見られる様になっていた。
「凄い…」
私は思わず言葉を溢す。
「このベルツリー1世号は全長246メートル、
最大直径42.2メートル…かのヒンデンブルク号よ。全長・直径共に1メートル長い、文字通り世界最大の飛行船です」
本当に、次郎吉さんは「世界」とか「日本初」とか好きですよね。お金持ち恐るべし!
子供達が色々疑問になった事を言葉にしては、チーフの浅野さんは丁寧に説明をしていたのを私はただ聞きながらガラスの外を見ていると…
ギロッ
「!!」
肌に突き刺さる視線に、私は動く事が出来なくなってしまった。
足を動かす事も、息の仕方さえわからなくなるほどの凄まじいプレッシャーに冷や汗が頬に滴れる。
「……どうした?」
そんな私を見かねたのかコナンくんが心配そうな表情で問い掛けてきた。
私はやっとの思いで、口を開けた。
「何でも、ないです」
スカイデッキに着き、1番に小五郎さん、そしてその次に子供達が降りていく。
私はエレベーター内に残っていたのをもう一度コナンくんが声を掛けてくれた。
他の人達はスカイデッキを見回していて私達に気付いていない様子だった。
「ごめんなさい、下に忘れ物をしてしまって…すぐ戻りますって言っておいて貰えますか?」
「あ、あぁ…。本当に大丈夫か?」
「えぇ。大丈夫です」
ニコリと笑い私は閉じるボタンを押し、下の階へ戻って行く。
あの視線は一体何だったのか。
殺気とはまた違う、凄まじいプレッシャーにやられてしまった。
「気の…せい、ではないはず…」
凄く嫌な予感がする。
赤いシャム猫が行動を起こすと予告があった。
もし予告通りなら今日がその期限だけど…
「嫌な予感が消えない…何の確証もないのに新一くんに言うのもな〜」
先程いた部屋へ戻って来ては、外を眺めながらブツブツと呟く。
私の勘が100%当たる訳ではないからこそ、要らない心配をさせたくないというのはある。
「どうされましたか?」
1人で黄昏ていると先程のウエイターさんが声を掛けてきた。
よくこの人と会うな、なんて思いながら顔をジッと見つめた。
355人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メイリュー(プロフ) - noppiさん» コメントありがとうございます!!不定期ですが更新していきますので宜しくお願いします!! (10月5日 13時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年5月5日 15時) (レス) @page10 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:メイリュー | 作成日時:2022年4月12日 14時