第068夜 ページ19
発疹が出ている場所を聞いて何かが引っかかった。
3人の内2人は手のひらに発疹が出ている。
「ん〜〜、元太くんはくしゃみも、喫煙室の匂いを吸っているのに感染していない。…なんか腑に落ちない」
首を捻り、うーん、と唸っていると先ほど新一くんが降りて行った扉が開かれた。
私とキッドは同時にそちらを向くと、1人の男が出てきた。
その人物に私は自分の目を疑ったのと同時に身構えた。
どうして、この人がここに……!!
「よぉ、さっき振りだな」
「……会いたく、は…ありません、でしたがね」
「ンで、隣にいるのが
冷や汗が流れる。
さっきまで大丈夫と思っていたのに、いざ目の前に現れると身体が震える。怖くて、恐ろしくて、逃げ出したいくらいに恐怖を植え付けられているのが嫌でもわかる。
私1人だったら逃げ出していたかもしれない。
だけど今はキッドがいる。私がなんとかしなくちゃ……
「そいつを痛めつけたらお前は戻ってくるか?」
「やめて……!!」
絶対そんな事させない!
私はバッ、とキッドの前に出て彼を庇う。
傷つけさせない。巻き込んでしまった責任は私が取らないと。
でも、この人は強い。
「元々お前という“個”はどうでもいい。興味もない。だけど、お前の体はいる。今まで遭遇した奴らもそうだったろ?
お前の生死なんかどうでもいい、ついででしかない。そんな事ばかり言われた覚えはないか?」
「……わかっ、てる。誰も私自身を見ていないのは、昔から知ってるよ。だけど少しくらい見てくれたっていいんじゃん!!」
サバイバルナイフを袖から出せば、感情のまま投げつける。
私が投げたナイフをご丁寧に刃の部分を指で挟みキャッチをした兄は、ナイフを回収されてしまった。
歯が立たない事はわかっていた…。
「邪魔」
私が1歩踏み出す時には既にあの人は5歩動いていた。
すぐさま私の目の前に移動しては蹴られ、キッドから離されてしまった。
「ッ…やめ、…彼に触れないで!!」
キッドの耳元で何かを囁いていたが私には聞こえなかった。
どんな事をキッドに言ったのかはわからない、だけどこれだけは言える。私の正体を知られてしまったのではないかという事実。
だって、彼は今驚いている。
いつものポーカーフェイスが崩れている、それって衝撃的な事実を知ったから、私を見ているのでしょう?
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メイリュー(プロフ) - noppiさん» コメントありがとうございます!!不定期ですが更新していきますので宜しくお願いします!! (10月5日 13時) (レス) id: e92fbb5050 (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 続きも見たいです(*^▽^*) (2022年5月5日 15時) (レス) @page10 id: a056ba0898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メイリュー | 作成日時:2022年4月12日 14時