真相２ ページ14
｢チャンミンさん……？｣
あの日……
確かにここから手前の駅で橘さんは降りた。
電車から降りるところを僕は見たのだから。
でも……
あれからまた違う車両に乗ったのだとしたら
僕は橘さんにこの部屋まで後を付けられていたことになる。
｢A？それから？｣
｢あ、うん。
駅で見られていたって知って、もうウソはつけないと思って……チャンミンさんと付き合っていることを認めてしまったんだけど……
その後から、橘さんの課の女性社員の方々から強く言われたりすることが多くなって｣
｢それ、仕事場でだけ？｣
｢あぁ、うん。職場でだけ｣
｢そうか……｣
取り敢えず、橘さんの嫌がらせは社内だけのようだった。
もしかして橘さんがAの部屋まで僕の後を付けていたのならば
Aの自宅にまで嫌がらせをする危険があることを考えた僕は
一先ず胸をなで下ろした。
｢強く言われたって、どんなことを？｣
｢うん……。
最初は『洗面台が汚れているので綺麗にしてほしい』って感じだったんだけど
段々と……なんて言うか……ストレートな感じに｣
｢ストレート？｣
｢『邪魔』とか『目障り』とか、そんな感じで。｣
Aから話を聞いたことと、昼間に女子社員から聞いた話しに何となく違和感を抱いた。
昼間の女子社員の話しでは、もっと数人に囲まれて何か言われているAの姿を想像したけれど
今聞いた話しからはそれを連想することが出来ない。
Aはまだ僕に言っていないことがあるのではないか？
だとしたら、どうして僕にそれを言えないのか？
そこがとても気になった。
｢移動が早まったのはね、私が社長にお願いしたの。
……やっぱりちょっとこの状況は辛かったから
出来れば違うところへ逃げたかったの｣
そう言って、Aは弱々しく微笑んだ。
｢A？｣
｢うん？｣
本当のことが知りたい。全て。
僕は気になることを彼女に聞いた。
｢他には？｣
｢えっ？｣
｢他には何言われた？それだけじゃないでしょ？
橘さんと同僚の彼女達に、なんて言われたの｣
昼間見たAの涙を堪えている顔
あの顔が僕の頭から離れない。
悔しさと、悲しさと……そんな色々な感情を堪えているかのような顔だった
あの時、怖くても悲しくても泣けなかったAの涙を
今僕が受け止めてあげたいと思った。
｢もう良いんだよ。1人で抱えなくていいから。｣
するとAは直ぐに顔を歪ませて
子供のように泣き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 472人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
alexis(プロフ) - 裕さん» 全くですねー(^^*) (2020年11月18日 19時) (
レス) id: 25d3b6e52c (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - alexisさん» 我が道をいく。って感じです(笑) (2020年11月18日 10時) (レス) id: 266230131b (このIDを非表示/違反報告)
alexis(プロフ) - 裕さん» ここでも結婚。現実でも結婚…。あのマンネのチャンミンが……。5人の中では一番、芸能人らしからぬ(？)神経の持ち主で極めて特別じゃない、いえ、それこそ特別な、そしてシビアな男子。裕さまはリーマン･チャンミンを描きながらもリアル･チャンミンかと感じてます。 (2020年11月12日 23時) (レス) id: 25d3b6e52c (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - みきぽんさん» シム家の長男ですからねw (2020年11月11日 11時) (レス) id: 266230131b (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - alexisさん» まぉ、頑張れ。ってことでwww (2020年11月11日 11時) (レス) id: 266230131b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：裕
| 作者ホームページ：http://id29.fm-p.jp/279/jjhh/
作成日時：2019年11月4日 17時
