初弁当 ページ28
「あのぅ・・・本当に素朴なもので恥ずかしいくらいですが・・・」
・
翌日
前日から小躍りするほど楽しみにしていたお昼の時間
気持ち早めに仕事を切り上げて、誰よりもオフィスを早く出た僕は
一目散にAさんのいる掃除用具室へ向かった
昼休みのベルが鳴ると同時にドアをノックした僕に
Aさんの驚いた表情がダイレクトにハマってしまって
にやけ顔がもう戻らなくなってしまった自分を
諦め
そのままの顔でAさんの向かいに腰を下ろした
そしてそっと置かれた、バンダナで包まれたお弁当を開けると
そこには、僕が楽しみで仕方なかったAさん手作りのお弁当が顔を出した
「わぁ〜…」
なんて可愛らしいお弁当なんだ
艶々の白米にはゴマが振ってあり、優しい黄色い色の卵焼きはフワフワなのが見て分かる
フライにされた魚も、ひとくちサイズの美味しそうな唐揚げもとても食欲をそそって
控え目に盛られた煮物も、きちんと作られている
「あのぅ・・・本当に素朴なもので恥ずかしいくらいですが・・・」
彼女は不安げに僕を伺いそう言った
「食べても良いですかっ？」
「っあ、はい」
「では、いただきますっ」
お箸を手に取り、おかずとご飯を口に入れる
モグモグモグ・・・
「あ、あのぅ・・・お口に合わなければ残して下さいね。
無理して食べなくてもいいで・・・」
「美味しいっ!Aさん料理上手なんですね!」
「えっ？・・あ、あぁ・・」
この見た目を裏切らない料理の上手さ
塩加減や味付けも僕の好みそのものだ
この唐揚げにはスパイスが入っているのかなぁ？
ピリ辛加減が最高だ
黙々と食べ進める僕を、向かいに座るAさんはじっと見つめたまま
パチパチと瞬きをしながらずっと僕を見つめている
そんな彼女がとても可愛くて
僕も彼女を見つめながら、気付けばお弁当は空っぽで
あっという間に完食した
「ごちそうさまでした」
両手を合わせてAさんにお礼を言う
そして、箸も入れ物に仕舞い
お弁当箱もバンダナで包み直した
それを揃えてAさんに差し出し
「スッゴく美味しかったです！」
一言感想を伝えた
「あぁ・・・良かったです。お口に合って」
お弁当箱を受け取りながら彼女はそう僕へと微笑んだ
彼女のお弁当に目を遣れば、それは何も手を付けられてはいなくて
僕・・食べることに集中し過ぎたか？
時計は12：10にもうすぐなるところだった
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裕(プロフ) - Yse_kさん» そう、そう、そう。居るんですよねーw (2019年11月8日 13時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
Yse_k(プロフ) - はい、はい、はい。この手の女いますよねー。 (2019年11月8日 11時) (レス) id: 30e15faa16 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - ともさん» ここまで読んで頂きましてありがとうございました。確かに何かが起こります( ´艸｀)続きは次章で♪ (2019年11月4日 17時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - みぃなさん» ここまで読んで頂きましてありがとうございました。確かに企んでおります( ´艸｀)続きは次章で♪ (2019年11月4日 17時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 裕さん。こんにちは。なんだかなんだか起こりそうな。胸騒ぎが…。。楽しく読ませていただいています。ありがとうございます！ (2019年11月4日 12時) (レス) id: 8360f041ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕
| 作者ホームページ：http://id29.fm-p.jp/279/jjhh/
作成日時：2015年11月2日 2時
