意識し始める ページ24
それから僕たちは、またショッピングをして
予約をしていたイタリアンの店に行き、食事をして
お酒を少し飲んだ
少しぎくしゃくし始めた彼女は
僕に向ける笑顔が、心なしか照れているように感じて
彼女に気持ちを伝えた事に手応えを感じていた
少なくとも、彼女は僕を意識し始めている
そう
そんなふうに僕を意識して
僕を好きになってくれればいい
少し混んでいる帰りの電車に揺られ
扉際に立って、扉と僕の間にいる伏し目がちな彼女を見つめていると
手さえも握らずに帰る自分が少し可笑しくて
くすぐったくもあった
こんなふうに健全なデートしたのはいつ振りだろう
今までは相手が求めてくればそれに応えて
面倒になる前に、その女性から身を引く
はっきりと自分の気持ちは相手に伝えず
曖昧なままの関係を続けていた
相手がマジになったらゲームセット
そんな恋愛ゲームのような駆け引きばかりをしてきたのは
きっと
自分の気持ちが動いていなかったから
数をこなすことに慣れていけばいくほど
虚しく感じる時も勿論あって……
本気で誰かを好きになる事に臆病になっていたのかもしれない
"お願いだから誰かを好きになる事に臆病にならないで
逃げないでください、この先自分の気持ちから"
昼間にAさんに言った言葉は
自分に向けての言葉でもあった
「そろそろ駅につきますね」
「…はい」
彼女の最寄り駅に着くのは、あと少し
今までの女性とはタイプが違うAさんには
もう少し一緒にいたいという言葉が言えないでいた
「今日は楽しかったです」
そう僕が言うと、彼女は肩を萎めて言った
「あぁ、色々とご迷惑をおかけしてしまって……」
「迷惑なことなんてなにもないですよ」
「……すみません。
今日もまたご馳走になってしまって。ありがとうございました」
「美味しかったですね。あの店」
「はい。とても美味しかったです。ご馳走さまでした」
彼女は小さく頭を下げると、控えめに僕を見上げた
帰したくない……
そんな気持ちが溢れていくのを誤魔化すように
僕は次の約束を口にする
「次はドライブでも行きましょう。
今ならちょうど紅葉が見頃です」
「あ……あの……」
「そろそろ着きますね。駅」
「えっ？……あぁ、はい」
電車は彼女の最寄り駅へ
「あっ、あのっ！本当に今日はありがとうございました。気を付けて帰ってください」
「Aさんも。家に着いたらメール下さい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1491人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
裕(プロフ) - Yse_kさん» そう、そう、そう。居るんですよねーw (2019年11月8日 13時) (
レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
Yse_k(プロフ) - はい、はい、はい。この手の女いますよねー。 (2019年11月8日 11時) (レス) id: 30e15faa16 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - ともさん» ここまで読んで頂きましてありがとうございました。確かに何かが起こります( ´艸｀)続きは次章で♪ (2019年11月4日 17時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - みぃなさん» ここまで読んで頂きましてありがとうございました。確かに企んでおります( ´艸｀)続きは次章で♪ (2019年11月4日 17時) (レス) id: 277fbb4572 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 裕さん。こんにちは。なんだかなんだか起こりそうな。胸騒ぎが…。。楽しく読ませていただいています。ありがとうございます！ (2019年11月4日 12時) (レス) id: 8360f041ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：裕
| 作者ホームページ：http://id29.fm-p.jp/279/jjhh/
作成日時：2015年11月2日 2時
