TVの前にいたはずが気がつけば呪力宿ってた【呪術廻戦】

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伏黒恵。
確か、呪術高専の生徒。





ここにきて出会った人物が五条悟だけではないと分かると、更に非現実的な体験に信憑性が増していく。






『見えてるんだ、あんた』







道を挟んだ少し奥にいた伏黒恵が先程の犬を撫でながらこちらへと向かってくる。






表情ひとつ変えることなく、
その目の奥にある感情は読み取れない。







「助けていただいてありがとうございます」






深くお辞儀をすると、伏黒恵の視線が私ではなく後ろの建物に向いてることに気づいた。






あ、まためんどくさいことになったな。






伏「五条先生の知り合いか？」



「……」






この場合なんと答えればいいのだろう。






ここで、いいえ違いますと言っても明らかに五条悟の家から出てきたことに疑問を抱かれる。






だといってこれは知り合いといえるのだろうか？







頭を捻る私に目の前の伏黒恵は、ふんと鼻を鳴らす。








伏「まぁいい。
そんなことよりあんた、無防備すぎだ」







言いたいこと分かるだろ。
目でそう訴えられている気がする。







伏「ここにいるからにはもっと警戒心を持った方がいい。

今回はたまたま俺が通ったから助かったが、
そんなにぼーっと突っ立ってたら次はないぞ」









もう一度、五条悟の家に視線を向ける伏黒恵は真剣な眼差しで言う。




ここにいるからには、の″ここ″を指すのはきっと五条悟の家。







先程の問いかけに答えなかったことを、
肯定したと捉えられたのだろう。







キツめの言い方でぶっきらぼうな口調だけれど、






なんだか、






その言葉の裏には、優しさを感じた。









あまり彼のことは知らないけれど。

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