ミステリアス ページ39
「A、恵が拗ねちゃったよ、さっきのあれ見て。
ケルベロスみたいな怪物。」
「そこをやる気にさせるのがお前の役目ではないか。」
五条が持ち込んだソファに体を預けるA。
背もたれの方に立ち、上から覗き込む五条。
ちなみに恵は絵に描いたように拗ねており、外で土をいじくっている。
「ていうか、結構謎だよね。
術式もよくわかんないし、さっきのアレだってほぼコピーじゃん。」
目隠しをしていない五条はAと目を合わせるが、そこからは何も得ることができない。
「…悟、背伸びたな。」
下から見上げているのもあってか、いつもより背が高く見える。
「そう?でも昨日も会ったよね。
最近毎日会ってるよね?
てか今話逸らしたよね?」
五条の顔に両手を優しく添える。
「…お前の知りたい事は最期の日にでも教えてやろうかな。」
最期の日とは何か、え、死ぬの?、そんな言葉が口から出そうになったが、
相手は冗談なんか言っていない、そう悟った五条は口をつぐんだ。
少しの沈黙の後、Aは両手に力を入れて五条の顔面を挟む。
頬がむぎゅ、と中心に寄る。
「恵を放っておくな、今日は恵がやる気を取り戻すまで夕食はなしだ。」
恵と引き合わせてから笑顔が増えたAだが、それと同時に何か悲しげな笑顔を見せることも増えていったことを五条は気づいていた。
しかし、理由も何も、見当もつかない。
とりあえず、笑顔を返して恵の元へ戻った。
「おーい、いつまで拗ねてんだガキンチョ。」
恵の頭を片手でがしっと掴む。
「…痛い。
Aはあんなに大きな玉犬出せたのに、俺、小さくしか出せない…。」
話しながらも土をいじる手は止めない。
「いやいや、あの人は規格外。
最強の僕が言うのもなんだけど、最強だと思うあの人。」
何言ってんだこいつ、という感情が恵の五条を見る視線にひしひしと感じられる。
「今日、恵がやる気出さないと夕食無しなんだってー。」
「五条さんの夕飯だろ?…俺は関係ない。」
いつも五条は恵を家に送ってからまた小屋に戻り夕食をAとともにとっている。
「言い換えると、術師次第で式神は強くもなるし、弱くもなる。
…どう、やる気出る?」
その言葉を聞いて恵は手を止めて立ち上がった。
〜〜〜〜〜
ソファのシーン2人の状態わかりますかね…?
ソファに背中預けて上を見てると、背もたれ側から五条がAの顔を見下ろすんですけど…。
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ダイフク(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!オチについては明言出来ないのですが、楽しんで読んでいただけるかな、と思います…。更新頑張ります! (2022年3月6日 1時) (レス) id: 7eb0c29f0f (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ダイフクさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。更新楽しみにしています。 (2022年2月25日 11時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ダイフク(プロフ) - みきゃるさん» コメントありがとうございます!とても遅くなりましたが、これから少しずつ更新して行くのでよろしくお願いします! (2022年2月6日 1時) (レス) id: 7eb0c29f0f (このIDを非表示/違反報告)
みきゃる(プロフ) - とても面白いです!!!ゆっくりでもいいので、続きが見たいなと思ってしまいました、、! (2021年12月12日 10時) (レス) id: 22cb947882 (このIDを非表示/違反報告)
ダイフク(プロフ) - 雪マカロンさん» コメントありがとうございます!早く高専生たちを登場させられるように更新頑張ります! (2021年3月4日 20時) (レス) id: 9e9c718d28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ダイフク | 作成日時:2021年1月11日 15時