小さな守護神 ページ35
「………。」
「………悟、さっきからこの坊主がこちらを睨みつけてくるのだが。」
何故か伏黒家で夕食を食べることになり、ちゃぶ台を囲んでいるのだが、Aは恵にすごく警戒されている。
津美紀を五条と恵の間に座らせるくらいだ。
「恵、お客様にそんな顔しちゃダメでしょう。」
津美紀が恵に言うが、状況は変わらない。
「多分ね、Aの存在がよくわからないんだと思う。」
Aは呪霊のような存在でありながらも、津美紀が視ることができる。
「しかし、十種影法術ね…、私の時代の禪院家当主もそうだったな。
まあ、なんというか、強くはなかったが。」
まるで分析するかのように凝視するAの視線に耐えきれなかったのか、気まずそうに顔を逸らした。
「…ジロジロこっち見るな。」
顔を逸らした恵が絞り出すように言った。
「悟とこの2人、どんな関係があるんだ？」
「んー、なんやかんや面倒みてるって感じ？」
「だったらこんなに生意気なのはお前に似たのか。」
相変わらず凝視するAの視線を感じて恵は居心地が悪そうだ。
「あんた、いつまでここにいるつもりです？」
「恵！」
恵の言葉に津美紀が声を上げるが、
「…夕食を食べる間だけ居ても構わないだろうか、
私は子どもが好きでな。」
今までの意地悪そうな顔とは打って変わって、少し寂しそうな顔をしたAにたじろぐ恵。
はるか昔、若い夫婦と赤子と過ごした日々はやさぐれだ心を癒す貴重な時間だった。
「く、食い終わったらさっさと帰れよ！」
そっぽを向きながら恵は言った。
後ろから見える耳の端が赤くなっている。
「ありがとう。」
Aは恵の頭に手を置いて乱雑に撫で回した。
「私Aさん好き。
だって悪い人じゃないって思うもん。」
津美紀がAの隣に移動して腕に抱きつく。
嬉しさを隠そうとするが、隠しきれていなくて変な顔になっているAをみて、五条は連れてきてよかった、と思った。
2時間後、
「恵、あれ出してみろ、なんちゃら犬みたいな式神。」(素面)
五「おっ、いいじゃん、この前出せるようになったもんな、恵！」
津「わんちゃん？！」
恵「………『玉犬』」
「…なんだこの可愛い大きさ。」
五「この前より少し大きくなってる…、僕感動！」
津「えっ、何もいないよ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 216人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ダイフク(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます！オチについては明言出来ないのですが、楽しんで読んでいただけるかな、と思います…。更新頑張ります！ (2022年3月6日 1時) (
レス) id: 7eb0c29f0f (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ダイフクさん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張ってください。更新楽しみにしています。 (2022年2月25日 11時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
ダイフク(プロフ) - みきゃるさん» コメントありがとうございます！とても遅くなりましたが、これから少しずつ更新して行くのでよろしくお願いします！ (2022年2月6日 1時) (レス) id: 7eb0c29f0f (このIDを非表示/違反報告)
みきゃる(プロフ) - とても面白いです！！！ゆっくりでもいいので、続きが見たいなと思ってしまいました、、！ (2021年12月12日 10時) (レス) id: 22cb947882 (このIDを非表示/違反報告)
ダイフク(プロフ) - 雪マカロンさん» コメントありがとうございます！早く高専生たちを登場させられるように更新頑張ります！ (2021年3月4日 20時) (レス) id: 9e9c718d28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ダイフク | 作成日時：2021年1月11日 15時
