五条悟の守護という縛り【呪術廻戦】

悪魔 ページ22

水明は禪院家当主と戦うことになった。


『禪院か…、今の私にちょうどいい相手だな。』


禪院は保守的な考えの者が大多数を占めている。
その点で叩き潰すにはもってこいの相手だ。
　

『水明様、どうかお気をつけて…。』



『そんな心配そうな顔をするな。
すぐに終わらせてくる。』



倉島にそう言って水明は舞台へと上がっていった。

　

『禪院家当主、禪院陽介。
　神覚家当主、神覚水明。

御前試合第一試合目……始め！』

　

その合図で先に動いたのは禪院の方だった。

　

二体の玉犬が水明に向かって全速力で駆ける。



対して、水明は全くその場を動かない。
揺れる袖を鬱陶しそうに捲り上げ、手を握ったり開いたりを繰り返す。


　

玉犬は左右に回り込み、頭に噛みつこうと、大口を開けて飛びかかる。



その瞬間、式神の速さを上回り、水明の腕が二体の口の中に入っていった。


　
そして、玉犬の牙が腕を噛みちぎるよりも、二体が破壊される方が速かった。



『式神といえども、口の中に手突っ込むのは気持ち悪い…。』



しかし、そんなことを言っている間に禪院は『満象』と唱えた。
水明は自分の真上を見上げる。



満象が落ちてくる瞬間を見計らって触れる。

水明の術式により、満象は消えたが、その触れた手の中心を刀が貫いた。


　

『お主の術式は触れることが条件だ。
それがわかれば何も怖いことなどないよ。』



まるで勝利を確信したかのように禪院は豪快に笑う。


　
血がだらだらと垂れている手を無表情で見つめる水明。



貫通している刀を躊躇いなく抜き、禪院に向かって投げる。

　 ダビ
続けざまに『奪尾』と唱え、空中に円を描く。


その円から光の粒を集めたような蛇が飛び出し、水明が投げた刀の後ろについた。



禪院は刀を易々と避け、蛇の胴を掴む。
掴まれたことで、蛇は霧のように消えた。



『伊達に歳をとっているわけではないようだな。

おや？どうした、さっきみたいに喚いてみろ。』



動きを止めた禪院に向かって水明が言う。



先程描いた円の中からころっ、と丸い水晶のようなものが出てきて、水明の手のひらに落ちた。


光を閉じ込めたような直径3cmほどの球だ。



禪院は額に青筋を浮かべて拳を握っている。



『そういえば話せんのだな。
お前の"言葉"はここにあるのだから。』



光る水晶を人差し指と中指で挟み、見せつける。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
すみません満象誤字ってました…

小娘→←上に立つということ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す