快晴を翔ける (ページ1)

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雨障ページ1

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平凡な家庭で生まれた平凡な子どもだった。
ずば抜けた才能があったわけではないし、すごい能力が身につく、なんてこともなかった。
ごくごく普通の、一般人。

そんな私には優秀な兄が一人。
平凡だった我が家に生まれた優秀すぎる兄は幼い頃から何でもそつなくこなせてしまう才能を持って成長し、今では社会で成功し続けるエリートになっていた。
父と母は兄を大層溺愛した。勿論小さい頃は私も両親や兄に可愛がられていたが次第に兄に次いでエリートになるようにと両親は厳しくなっていった。兄は仕事が忙しくなり家で会うことは殆ど無くなってしまった。

中学からは学級委員を務め、生徒会にも入り学校に貢献した。両親に見捨てられないように、兄に負けないように、必死に勉強して、高得点を取って。
視覚化されたその結果は、一体何の意味があるのかなんて分かりすらしないのに。

自分が努力すればする程、自分の首を締めていることに気付かず。
18になる今年までずるずるとそのストレスを引き摺って、もうすぐ、それが決壊することなど私は微塵も知らなかったのだ。

【雨障(あまつつみ)】
雨に降られて外に出られず、閉じこもっていること。