【鬼滅の刃】蟲柱の妹は、妹だと名乗らない 肆

佰参拾弐話 ページ20

なぜこれがまだあるのか。




ずっと疑問だった。





カナエ姉さんから貰った蝶の髪飾り。




とっくに捨てたと思っていた。





『……答えて下さい。どうしてですか？』




あの日。




カナヲを蝶屋敷に届けたあの日。





目に入ってしまった、この髪飾り。




カナエ「Aにはこの色がぴったり！Aのはこれにしましょう！」





カナエ姉さんが選んでくれた髪飾り。
もう見る事は無いと思っていた。





蟲柱「……Aがいつ帰ってきても使えるように。取っておきました。」




その言葉は本心か否か。



嘘か真か。




『帰る保証も無いのに、ですか？』
蟲柱「はい。」





分からなくなる。




自分がしていることは正しいのか間違いなのか。




この人といると、特に。





『……そうですか。勝手に持ち出してすみませんでした。』
蟲柱「いえ……。」




蟲柱様の前にそっと置く。





軽くなければ飛べない。




いつか聞いた話にあった言葉だ。









・









・









・

蟲柱「……Aは！」









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蟲柱「生きて、くれますよね……？」





ギュッと手を握ってそう言う蟲柱。




蟲柱「死んだりなんて、しませんよね…？」





ずっと不安だったのだろうか。




音がいつもより悪い。




いや、それだけじゃ無い。




『……生きるか死ぬか分からない。それが私たちの仕事です。』





鬼殺隊とはそういうもの。




そうでしょう？と問いかけると蟲柱様は苦悶に歪んだ顔をした。

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