肆拾陸話 ページ12
『(……この列車は8両編成。乗客は大体200人前後。
先頭車両には鬼と車掌、柱と癸の隊士、人間の協力者が乗っている。)』
呼吸法を使って気配を消したAの存在は、鬼にも
人間にも気づかれる事はない。
その効果を利用して列車内を見て回る。
『(……そして、先頭車両から末端の車両にまで同じ鬼の気配がする。この感じ、鬼はこの列車と合体したようだ。)』
Aの予感はほぼ的中していた。
そろそろ起きてくれないと厄介な事になる。
Aはそう考え先頭車両に戻った。
*
*
*
『……あら。』
先頭車両に戻ると、炎柱・煉獄杏寿郎が自身と縄で繋がっている女の子の首を締め上げながら立っていた。
しかし、意識はまだ無いようだ。
『(……無意識に動いた、ってとこかな?しかし、それでも軽く危険行為だ…。)』
すると竈門炭治郎の前に置いてあった箱が開き、中から鬼の女の子がぼてん、と出てきた。
『(……この子が、竈門禰豆子ちゃん。)』
気配を消しているAに気づかない彼女は、兄がうなされているのを見てなんとか起こそうと思い、グイグイと服の裾を引っ張る。
しかし、中々目覚めない竈門炭治郎。
「ムーッ!」とうなった後、思いっっきり兄の頭めがけて
『(……痛そう。)』
頭突きをした。
かなりの石頭である兄には敵わず、額からポタポタと血を流す彼女。
それでもめげずに何回も頭突きをしていると。
突然、竈門炭治郎が燃え始めた。
『(…燃えてる?いや、竈門炭治郎ではなく、鬼の彼女の血が燃えてるのか?)』
初めて見た光景に目を丸くするA。
すると、「あああああ!!」という声と共に、竈門炭治郎が目覚めた。
よっぽど嫌な夢を見たのか、はたまたこちらに戻ってくる為に何かを犠牲にしたのかは分からないが、沢山の汗をかいている。
炭治郎「はー…。」
『なにが?』
炭治郎「うわぁあぁぁ?!」
安堵の息を漏らす彼にそう声をかければ、さっきの声にも負けず劣らずの声を出した。
ぐりん!と首がもげそうな勢いでこちらを向くも、呼吸法を使っている私の姿は彼には見えない。
炭治郎「あ、あれ?Aさん!?どこですか?」
『……随分と戻ってくるのが早かったわね。』
炭治郎「え?」
手摺りにもたれかかりながら「ムー…」とうなる妹に気づいたのか、手を伸ばそうとした彼。
炭治郎「これは…!!」
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エメラルドの飛沫(プロフ) - この夢主嫌いです。 (2021年4月21日 17時) (レス) id: fb58ba212d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - すごいアオルなー(・・;)とても面白かったです( ≧∀≦)ノ (2020年3月3日 8時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 零華さん» はい!またリクエストお待ちしていますね!楽しんで頂けて何よりです!(^_^) (2020年3月2日 18時) (レス) id: 62cba94915 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» 本当ですか、よかったです( ̄∇ ̄) (2020年3月2日 18時) (レス) id: 62cba94915 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - リクエストの方は、全然大丈夫でした。逆に、リクが通って、よかったです。これからも、更新、頑張ってください!応援しています!!。( `・∀・´)ノ ガンバレ--!。 (2020年3月2日 4時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魅夜 | 作成日時:2020年2月24日 20時