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弐佰参拾陸話〜カナヲside〜 ページ6

『…え?カナヲ?』







Aが生きていて良かった、と安堵した反面、なんであんな危険な真似したの、という怒りと悲しみがこみ上げてきて。







カナヲ「あ、ご、ごめん……。」
『まあ、あながち間違いではないけどさ。……で、何が言いたいの?』







気付いたら「バカ」と口走っていた。







でも、今まで思ってたこと伝えられる機会だ。









カナヲ「……ごめん。でも、悲しかったの。悔しかったの。Aは1人で何もかも抱えて戦っているのに、私はなにも……。」
『………。』






Aの瞳はじっとこちらを見ている。







視線を逸らさずに話せるだろうか。









カナヲ「……あの日ほど『失ってから気づく』って言葉が似合う日はなかった。全然その意味がわからなかったくせにAがいなくなって突然、その意味に、その言葉の重さに気付いたの。」





カナヲ「……私はAやカナエ姉さんの真似をしてただけで、自分だけの力で何も手に入れてないって事に今更ながらに気付いたの。」




カナヲ「ずっとずっとAと仲良くなりなかった。カナエ姉さんやしのぶ姉さんみたいな仲の良い姉妹になりたかった。……でも、どうすればいいのか分からなくて。」




カナヲ「『欲しい』とか『手に入れたい』って思ってもそれを言葉にするのが怖くて。……断られるんじゃないかって。『嫌だ』って言われるのが怖くて。」




カナヲ「『ここに来られたんだからそれだけで十分』『この人達に引き取って貰えて良かった』『これ以上は要らない』って決めつけて自分の気持ちに気づかないフリしてた……。そのほうがAにとっても良いんじゃないか、って思って……。」




カナヲ「……けどAがいなくなって言いようのない喪失感に襲われた。ポッカリと心に穴が空いて何をしても満足しないし、満たされない。どうしていいのか分からなくて、でも、鬼殺隊に入れば。」




カナヲ「……鬼殺隊に入ればまたAに会えるかもしれない。姉さんには反対されたけど、でももし、鬼殺隊に入ることがAに会える最後の手段ならやってみよう。」





カナヲ「そう思ったの。」

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魚のフライのような肉 - 私もID違いますが同一人物です。ものすごい偶然……。 (2021年6月22日 18時) (レス) id: 369b1cf0fd (このIDを非表示/違反報告)
魚のフライのような肉 - Aさん» いえ、こちらこそ、出しゃばってしまい申し訳ないです (2021年6月22日 18時) (レス) id: 369b1cf0fd (このIDを非表示/違反報告)
A - ↓IDちがいますが同一人物です (2021年5月16日 23時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
A - 魚のフライのような肉さん» すみません、もともと口が悪いんです。不快にさせてしまいましたよね… (2021年5月16日 23時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - こんばんは。戻ってきてくれて嬉しいです。おかえりなさい(?)また更新されるのを楽しみにしていますね。 (2021年5月16日 23時) (レス) id: a0ad16ec48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魅夜 | 作成日時:2020年7月12日 23時

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