カスミソウの花束

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今日は1日撮影らしい。
ブラックのワンピースに重めの茶色のアンクルブーツ。ボルドーのバッグを合わせる。髪の毛はオンニにお任せスペシャル。
先に着いた私は、鼻歌を歌いながら彼を待つ。


「Aヌナ、おはよう」


予想通り何とも眠そうな顔をしながら朝のゆるい空気をまとって彼は現れた。カジュアルなシャツに黒のパンツとシンプルな装いのジョンイナ。
おはよう、と返すとよく眠れた？と笑顔を見せた。


「ミッションカード貰ったんだけど」


「なんて書いてあるの？」


「さっそくウギョル村に入居してくださいって」


「うわー、なんかドキドキするね」


用意された車に乗り込むも、運転は私。なんてったってジョンイナのヌナだからね。
マネオッパが運転しようか、と提案してきたが断ることにした。
カメラがあるとはいえ、完全に二人きりの時間は貴重なのだ。

「スタッフさんにどんなことしたい？って聞かれたんだけど」

「ん、俺も聞かれた」

「なんて答えた？」

「ダンスコラボしたいって」

「あ、やっぱり？私もそれ答えた。
あと、あたしはカイのワンちゃんと遊びたいって書いた」

「いいね、それ」

「そろそろ紅葉のシーズンだから、ピクニックも行きたい」

「旅行も行きたい」

「ふふ、やりたいこと全部やって、カイとゆっくりのんびりしたい」


外でロケをすれば人気者ジョンイナの周りには必ず人が集まってきてしまう。連日仕事続きの彼が少しでもゆっくりと過ごせる時間になればいい。
様々な話をしている間にテレビでと見たことのあるウギョル村に到着した。

「テミナ達のお家の近くだって」

「そのうち合同撮影とかありそうだな」

「それ、楽しそう。
テミナとばっかりイチャイチャしないで、ちゃんとヌナにも構ってよー？」

「当たり前だよ。なんで俺がテミナと」

「いっつも2人で盛り上がり出したら止まらないでしょ」


大きくて綺麗なプール付きの家。
なんだかんだと言い合いながら私たちの新居に手をかける。
本格的な新婚生活のスタートを切った。








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