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集合した私たちが向かったのは、大型のショッピングモール。それを見上げて、私はクスリと笑みをこぼす。それを見逃さなかったジョンインが、不思議そうに私の顔を覗き込んできた。
「何笑ってるの?」
「いや、だって…私たち、ウギョルの撮影で家とデパートみたいなところしか行ってないじゃない?
またかと思って」
そう、まだウギョルの回数も少ない私たちだけど、今回ショッピングモールに来たものの前回も買い物に行っていたので、やたらと外出が多くお金を使う撮影が多いのだ。
「…確かに。
それに今回って対決形式なんだよな?
何するんだろう」
確かに。
ショッピングモールで一体何をすると言うのだろうか。クイズ?それともファッション対決?まさか…鬼ごっこ?…そんな訳ないか。うん。鬼ごっこはさすがに違う。
一人でそんなことを考えていると、ジョンイナに笑われる。どうやら百面相していたらしい。それも、カメラにがっつりと撮られていた。
映してるなら言ってよ。
そう口を尖らせている間に撮影開始の場所に到着した。
目の前にはテーブルと、何やら大きな紙が伏せておいてある。私たちとテミンたちはそれぞれもらったミッションカードを読み始めた。
「「クイズで対決していただきます。制限時間内に、お題に沿った妻ないし夫の好きなものを持ってきてください。勝った夫婦には素敵なプレゼントがあります」」
読み終わった後にジョンイナと顔を見合わせる。ジョンインはやっぱりクイズだったか、と言わんばかりの顔をしている。
それにしても、広い店内で、借り物競争ならぬ探し物競争をしなければいけないのか。鬼ごっこよりも酷いじゃないか。ランニングマンじゃあるまいし、勘弁してほしい。
それに何より、私は正直自信がない。妻が夫のことを知らないのも問題かもしれないが、リアルに仲のいい友達同士がお互いのことを知らないという事の方が負うリスクが大きいような気がするのだ。
仲のいい友達が自分のことを何も知らないのは嫌なものだ。ウギョルでの相手であればこれから知っていく、という言葉で終わらせることができるが、その逃げ道が私たちは使えない。
「ジョンイナ、先に謝っとくね?
ごめん」
「やー、ヌナ。弱気はダメだよ」
負けず嫌いのジョンインの目がギラギラしていて、私は思わず苦笑した。
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あん(プロフ) - リラさん» わぁ、リラさん!まさかこちらも読んでくださっていたなんて(O_O)感無量です!嬉しくて涙がちょちょぎれそうです(>_<) 頑張って更新しますので、こっちの方でもよろしくお願いします^ ^ (2017年9月21日 20時) (レス) id: b38a5c814a (このIDを非表示/違反報告)
リラ(プロフ) - |ョ・ω・`)チラッ…こちらも楽しみに待っていたり… (2017年9月21日 18時) (レス) id: 71a684b419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あん | 作成日時:2015年12月26日 2時