七つの心

2<ボウショク> ページ2

しばらくして、さっきの少女が帰ってきた。

「はあ...なんでどいつもこいつもいないの...」

ため息をついて、ぼそっと呟いた。

「えっと...どうした、の?」

「ああ、」

僕の存在に気付いていなかった様子。

「...で、多分グリードは記憶喪失でしょ。わからなそうだから教える。」

「あ、ありがとう?」

「...別に」

頬が赤くなるのが見えた。

「....話戻すけど、あなたはゴウヨク、グリード。」

「強欲....」

「で、あたしはボウショク、グルトニー。グルとでも呼んで。」

「わ、わかった...というか、七つの大ざ((待って」

「...口に出さないで、現実から目を背けているあたしにとってそれは苦痛。」

「背けている?どうして?」

「....もういいや、あとはほかの人に聞いて、病室でたらいるから。じゃあね。」

ガチャン、と力強く扉が閉まった。

....何故、病室のドアってスライド式なのにここは普通だという話は置いておいて...

「...なにか悪いこと、聞いちゃったかな。」

反省しながら、僕は病室の扉へと向かった。

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