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少し冷静さを取り戻したものの、まだ動けずにいた
扉の外で音がして、いきなり電気がついた
真っ暗な世界に一気に光が差し込み、眩しくて目を細める
目が慣れてくる頃、真っ白な世界から現れたのはカイくんだった
驚いた表情でこっちに近づいてくる
「Aちゃん？！」
寝転がる私の隣に座って、顔を覗き込んできた
一瞬、カイくんが言葉を詰まらせたのがわかった
「ごめん。
なんて声をかけたらいいかわからない。
何かあった？」
まっすぐと私の瞳をみつめている
泣き腫らした顔が恥ずかしくて、手で顔を覆う
「……、大丈夫だから。」
必死でこらえたけれど、声は震えていた
少しの沈黙の中、カバンを探る音が聞こえる
顔の上にパサリと何かが被さった
きっとタオルだ
「何もできないから。
それ、使って。」
カイくんは静かに私の隣に座った
そばに人のいる温かさに
また涙が溢れて、我慢できず声を出して泣いた
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「落ち着いた？」
私が泣き疲れた頃、優しい声が響いた
こくりと一つ頷いてみる
その瞬間、ハラリとタオルが剥がされ代わりにペットボトルが顔に当てられた
「あんまり冷たくないけど、我慢して。」
ぶっきらぼうにペットボトルを私に渡す
時間が経った飲みかけのペットボトルは本当に冷たくなくて、ただ顔に当てているだけでなんの意味もない
だけど座り直して、カイくんと向き合った時に顔を隠すには十分だった
「もう暗くなってきたし、帰ろっか？」
帰りたくない……
返事に迷って、黙り込む
「あっ、じゃあさ。
一曲踊る？」
携帯で音楽を探し出すカイくん
選曲は【花のワルツ】
2人が好きなくるみ割り人形からの選曲
優雅で華やかなハープの音色で始まる
カイくんが私の手を取り立ち上がる
可憐で美しいメロディが部屋に似つかわしくなくて、余計に恥ずかしい
カイくんと終始、照れ笑いしながらのダンス
曲が終わると2人共、床に突っ伏してゲラゲラと笑った
カイくんの軽やかなステップは私の心まで少し軽くしてくれた
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マナさ - 更新待ってます！！ (2018年2月20日 18時) (
レス) id: 5d62876bfd (このIDを非表示/違反報告)
kailukey(プロフ) - モナコさん» 感想ありがとうございます。すごく嬉しかったです。断続的になると思いますが、少しずつ書いていきます。よろしければ読んでください。 (2017年5月17日 21時) (レス) id: e2f5eead1e (このIDを非表示/違反報告)
モナコ - この作品大好きです！いつもキュンキュンしながら読んでます//´∀`//更新頑張って下さい！！ (2017年4月4日 23時) (レス) id: fb77e0d987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kailukey | 作成日時：2017年2月23日 22時
