添い寝フレンド【WN】 (ページ20)

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『ただいま……』

結局日を跨いだバイトから満身創痍で自宅まで帰ってきたはいいものの、ウォヌがいないことを思い出してテンションは急降下。

広いマンションに私だけが存在している孤独な空間は、私の気持ちを表しているようでなんとも言えない感情になった。

大学生の一人暮らしには勿体ないほど大きくて綺麗なこのマンションは、海外で働く叔父のマンション。

カナダから帰国する時、実家から離れたかった私はこのマンションに目をつけて大学を選んだと言っても過言では無い。

重たい体を何とか動かしお風呂に入り、寝る準備を整えたところでベッドに寝転がってみるけど眠気は一向に来ない。

あんなにあくびが止まらなかった筈なのに、目を瞑ってみても寝れる気がしなかった。

……あぁ、今日も睡眠不足確定。

寝るのを諦めてリビングのソファーへと寝転がった。

リモコンに手を伸ばしテレビをつけると、朝やっていたつまらない番組の再放送が流れている。

これ誰に需要あるんだろう。

朝のように頭を空っぽにしながら画面を見つめていると、スマホに通知の知らせが届いた。

狐【眠れてる？】

バイトが終わったのか、狐からメッセージが。

【眠れない。バイト帰り？】

今の時間は深夜一時半。

私とウォヌの住んでいる場所は近く、歩いて10分ぐらいの場所で生活圏が近い。

そしてウォヌは塾講師と居酒屋バイトの掛け持ちをしていて、時間に余裕があるときに私の家まで来てくれる。

私が送ったメッセージに既読は着いたものの、返事が返ってこない。

今日は居酒屋バイトの日で、ウォヌも私と同じ時間帯に終わるはず。

そんなタイミングでのウォヌからのメッセージ。

ちぇ。一瞬来てくれるんじゃないかって期待しちゃったじゃないか。

待ってみても一向に返信が帰ってくることの無い画面を見つめながら、一応目を閉じてみることにした。

つまらないテレビの電源を切り、暖房が着いた暖かな寝室のベッドへと体を沈めた。

……1時間でも寝れたらいいなぁ。