姿が見えない彼女 Ⅱ【kid】 (ページ8)

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緊張するな…プライベートの菊池さんってどんな感じなんだろ…

そろそろ約束の時間なんだけど…

「甲斐田くん〜お待たせ、あれ一人？Aちゃんは？」

すると猛スピードでこちらに走ってくる彼女

途中、廊下を走っちゃいけません！って通りすがりの社長に言われてて少し吹いてしまった

「すっすみません！お待たせしました！」

急いできたのか少し息を切らしている

『僕も今来たところなので大丈夫ですよ、それじゃ、叶さんも行きましょうか』

ううん、本当はちょっと楽しみで15分前には待ち合わせ場所に来てた。

「まあまあ、今日は折角時間も取れたんだし、肩苦しいのは無しで遊ぼうよ」

そういって歩き出す叶さん

幸い事務所の近くにカラオケボックスがあったので

歩いて10分もかからないで着いた。

受付で機種とドリンクを決める。

「う〜んと…2人とも飲み物どうされますか？」

『じゃあ僕はジャスミン茶で』

そう言った瞬間だった

「あ、やっぱりワンドリンクじゃなくてアルコール込の飲み放題でお願いしま〜す」

と、こちらを見て悪魔のような笑みを浮かべながら叶さんが言った。

「えっでもお2人この後配信とかしないんですか！？」

と気を利かせてくれたのか小声で言ってくる彼女

「いーのいーの、今日はもう全部僕らの時間だから、気使わなくていいよ」

「うぅ〜ん…私知らないですからね…じゃあお言葉に甘えて！」

その時僕は悟った、もしかして菊池さん

めちゃくちゃ酒呑みなのでは…？

「それじゃあ、生ひとつと、ジントニックと…」

そこまで言って僕の方を見てくる彼女

「‘甲斐田くん‘は何呑む？」

とすごく笑顔で聞いてくる

『あ、え、あ、レモンサワーで…』

わかりました！と言って店員さんに伝える彼女

待って待って脳が追いつかない

「あらあら、早速距離縮まったんじゃないの？」
と耳打ちしてくる叶さん

『あんな顔で名前呼ばれたらもう男は全人類惚れるよ、ほんとにさぁ………』

「それはちょっと大袈裟だと思うけどよかったね」

と叶さんと話している間に部屋が決まったようだ

「2人ともどうされたんです？ルーム向かいましょー！」

なんかこの子、お酒飲めるって分かった瞬間から
あからさまに元気になってる気がするんだけど？

ってか一人だけ生頼んでたよね？
気の所為じゃないよね？
そんながっつり飲む感じなの？

甲斐田不安しかないんですけど…