姿が見えない彼女 Ⅱ【kid】 (ページ7)

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「その日の収録終わり、2人でカラオケ行きなよ」

この人は何を言ってらっしゃる？

『いやいやいや無理だよ無理です』

まだまともに会話も出来てないのに2人きりでお出かけ？

しかもカラオケ？？？？はい？？？？

『甲斐田キャパオーバーしそうですけど正気ですか？』

「大丈夫。絶対いい雰囲気になるから。これマジな話ね」

『何を根拠に！？！？』

「ここだけの話。Aちゃんは貴方の声が好きです。」

その話…長尾にもされたな

「そんな彼に目の前で歌われたら多分Aちゃんは悶えます」

『まじすか？』

「まじっす。」

『でもいきなり2人ってなかなかハードル高くないですかちょっと』

そう言うと叶さんが叫び出した

え、この人配信外でも叫ぶの？

「あのねぇ！アンタ男なんだからそれくらいシャンとしなさいよ！女々しいわよ！！！！！」

しかも何故かオネエ

『そんなこと言っても僕そんな女性経験ないし分からないですよ！！！！！！』

「気合いだよ甲斐田ァ！！！！！！！男見せろや！！」

どうしよう何言ってもダメかもしれない

ここで折れるべきなのか

いや

『無理なもんは無理なの！！！カラオケは難易度高すぎる！！！何処ぞのホストでさえそんなぶっ込まないと思う！！！！！』

不破さんだったら多分、徐々に距離詰めていきそう。
流石に初手カラオケは不破さんも無理だと思う。

知らんけど

「…はぁ、仕方ないな…じゃあ僕も混ざるよ。貸しでね」

『あっまぁ、うーん、それならワンチャン…』

確かに叶さんが来るとなれば話は別だ。

「じゃあ予めAちゃんには僕から誘っとくからさ」

『ありがとうございます！！！』

これで、少し彼女との距離を縮めれるチャンスが到来した

「まあまあ、キューピット叶に任せなさい」

『本気で応援してくれるんですね…なんか、最初の茶番さえなければほんとに一生ついて行きたかった』

「あんまり図に乗るなよ」

『うっす…』

「あーあと、Aちゃんの好きな曲覚えておくといいんじゃない？」

たしかに、折角僕の声が好きって言ってくれてるなら
彼女の好きな歌を歌いたい。

「この間聞いたんだよな〜なんだっけ…」

『肝心なところで忘れとるやないかいっっっ』

「なんだっけ、あれ、ちょ、まじで思い出せないw」

ケラケラと笑う声が聞こえる

『ね゛え゛！』

「あ、思い出した。」

いや思い出すまではや。

「Aちゃん、”ニア” が好きだよ。」