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『なんか、ちょっとずつ、思い出して、来たかも』
「っ！…そっか、そんでな、コンビニで傘買う為に並んでた時に社員さんが急に外に走っていったんだよ。そりゃまあ俺達も驚いてどこ行くの！？って言ったんだけど」
ああ、この先のこと
なんか聞きたくないな
「一台のトラックが歩道側に突っ込もうとしててな、まさかと思って俺達も慌てて外に出たら、小学生になりたてくらいの子が1人で立ちすくんでて。」
「彼女はいち早くそれに気づいたんやろな、人より目も耳も良かったから、外の様子がおかしい事に」
「…その子供のこと助けるには間に合わないと思った彼女は、急いでその子供のこと抱き抱える形で、トラックに………轢かれたんだよ。」
待ってよ
嘘だよね
「そしてパトカーやら救急車が何台も駆けつけた時に甲斐田はずっと近くに寄り添って、その、彼女の名前を呼んでた」
「そのまま彼女が搬送されていく時に俺らも救急車に乗った」
思い出したくない
ああもうなんで現実はいつもこうなんだよ
「結果警察は事件性はないって判断してた、まあトラックの運転手も急性心不全であの時にはもう亡くなってた。そして彼女も、懸命な手術が施された後に亡くなってしまった。でも、幸い子供の命だけが助かった。軽傷で済んでたから、彼女が守りたかったものは守れたから、そこはホッとした」
『ぁ…あ…』
パズルのピースが段々と当てはまっていく
急にぽっかりとあいた記憶が一つ一つ蘇る
「もう…もしかしたら思い出したかもしれないけど、その亡くなってしまった社員って子はな」
身体がこれ以上聞いてはいけないと震え出す
聞きたくない 聞きたくない 聞きたくない
聞きたくない 聞きたくない 聞きたくない
「菊池 Aちゃん。そう、甲斐田…
お前の大事な彼女なんだよ…っ。」
ずっと我慢していたのだろう、電話越しに
あの 不破湊 が嗚咽をもらして泣いている。
その瞬間 全ての忘れてしまっていた記憶が
流れ込んでくる。
目から沢山の涙が溢れる
なんだよこれ、最近の僕、泣いてばかりじゃないか
『あ、あにきっ…ありが…っとうござ…いまっす！』
呼吸がうまくできない
「ごめっんなぁ甲斐田…隠してたつもりは…俺、ほんっとにっなくて」
アニキのせいじゃない
誰のせいでもない
忘れていたのは僕なのだから
A、思い出したよ
全部。全部。全部
電話を切ったあと僕は一日中泣き続けた
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ビール=ビールEX(プロフ) - まゆさん» 閲覧ありがとうございます！ちょっと不穏な空気が多いですがこれから色んな展開になるので楽しみにしてて下さい！ (2022年11月14日 1時) (
レス) id: af798582c2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 投稿お疲れ様です！お話の構成が大好きで毎日更新されるのを楽しみにしてます！途中から涙が止まらなくてティッシュと一緒に読んでますwこれからも更新頑張って下さい！ (2022年11月13日 23時) (レス) id: 1c95ee2eca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビール=ビールEX | 作成日時：2022年11月12日 1時
