怪異事件担当部署【オリジナル】 (ページ6)

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「そういえば、怪事部って何をしてる部署なんですか？」

　余計なことは聞いて、一番大事なのを聞いてなかったことを思い出した。
五年も警視庁にいて聞いたことのない部署に配属されるなんて思ってもいなかったし、『怪異事件』と聞いても正直あまりイメージがつかない。

　なんとなく酷い死体が集まりそうな感じがするがどうなんだろう。俺には今のところ、この部署について全然分からない。

「そっか、説明してなかったね」

　桐生さんは「説明してあげよう！」とでも言いたげなドヤ顔でこっちを見てきた。
……顔がいいとドヤ顔も様になるのか。

　そんなことは置いといて、桐生さんから話された内容はまるでフィクションなんじゃないかと思うほど漫画に出てきそうな話だった。

　怪異事件担当部署とは、約60年ほど前に陰陽師の末裔である隠明寺(おんみょうじ) 宗久(むねひさ)が設立したものであり、現在まで上層部の手によって秘密裏とされていた部署だ。

　主に捜査一課などでは追えない『明らかに人間の手ではないものによって行われた殺人』を担当しており、この部署に属する者は人間とは思えない力＿＿妖霊力(ようれいりょく)を持っている。
彼等はその力を使って悪さをする妖魔や邪鬼と闘う事が多い。

妖霊力とは、妖魔や邪鬼を自身に取り込むことによって手にすることができる力だ。
　その力は取り込むものによって変わり一般人よりも強くなることは確かだそうだが、強大な力を得ることが出来る代わりに寿命が縮むことになるらしい。

　ちなみに、俺はまだその妖霊力とやらは持っていない。

　俺たちが倒すべき敵は妖魔と邪鬼だが、これも同じようで少し違うみたいだ。

　妖魔は妖怪、化け物、魔物、変化(へんげ)の類で、心の複雑さが容姿の美しさとなって表面に出てくるといわれており、深く傷ついた心の持ち主や激しい憎悪の炎に身悶える者たちが、ことに美しい容貌を得るとされている。

　そして邪鬼。邪鬼は祟りをする神、物の怪、怨霊などの総称である。

　ちなみに、生まれた時から妖魔や邪気を見ることができる人間はほとんど存在しないため、一番初めに関わる事件の際に新人は教育係から六芒星の書かれた霊符というものを貰うらしい。
それにより、陰陽師の末裔でなくとも妖魔や邪鬼を目視できるようになる。

　だから、さっき桐生さんからもらった札は妖魔や邪鬼を見えるようにするためにもらったものなんだろう。

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