泥棒[宮侑/宮治] (ページ16)

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14個目ページ16

「だけど探すって言ったてこの印がついているところなんかなかったで？」

地図に印がついていたところは私が探索した客間であったであろう場所のさらに奥である。そんな場所も扉も見ていないのだ

治「でも印ついとるしもしかしたら隠し扉かもしれんやん！」

侑「隠し扉！？それめっちゃかっこええやん！」

治「じゃあいくで！」

「やっぱりないやん」

一応印がついている場所の前には着いた。しかしそれらしき扉も物も何一つなかった
三人はがっくりと肩を落とし嘆いた

侑「なんや、隠し扉ないんかい」

治「億万長者にはなれないのかあ・・」

「こんなんで億万長者になれるわけないやろ」

ん？

斜め前の壁にかかっていた絵画が斜めになっており、そこの隙間から金属のような光の反射が見えた。

「なあ、あれなんやと思う？」

治「ん？どれや？」

「ほらあれ、絵の後ろ」

侑「あ、ほんまやなんかある！」

治「でかしたA！あれがお宝の手がかりや！！」

このときとてもワクワクしていた。本の世界やテレビでしか見たことがなかったお宝。この世の中の子供の何人がこんな体験をしたことがあるだろう！そう思いながら興奮を抑えずにはいられなかった

しかし、絵画をどかし現れたのは

「・・・金庫だね」

治「金庫やな」

侑「金庫や」

現実というものは厳しく絵本の世界やテレビのようにうまいこと宝が見つかるわけがない
絵画をどかし現れたのはこじ開けられた後のもぬけの殻となった金庫だった