混ざる。2 ページ18
部屋に戻ると貝原さんは私の目をじっと見つめた。
私は別に悪いことをしたわけでもないのに冷や汗が背中を伝い始める。
あっ髪型結局確認してないな。
なんて、緊張し過ぎるあまりか悠長なことを考えていると貝原さんが口を開いた。
「武藤先生と何を話していたんですか」
「いや…あの…」
まさか貝原さんが裏切り者だったなんて、と言っては聞こえが悪いが武藤さんの言うことは事実そういうことなんだろう。
貝原さんの視線は鋭く、とても脅迫めいていた。もし口座番号なんて聞かれたらポロリと言ってしまう自信がある。
でも武藤さんとの話はしちゃいけない。これは貝原さんを信用してないことになってしまう。
「話せないような話をしていたんですか」
「………」
「…このままじゃ埒があかないんで言いますけど、僕が城山さんについた話をしていたんですか」
どきりと心臓が跳ねる。
やはり貝原さんにはなんでもお見通しなのだ。
「…そうです………でもどうしてですか」
私は貝原さんが話してくれた話を思い出す。
貝原さんはとても武藤さん思いの良い人だ。武藤さんの秘書は彼にしか務まらないだろうという程武藤さんを知り尽くしている。
それは逆に武藤さんも同じのようで、貝原さんをとても信用していて良きパートナーであったそうだ。(過去の翔君談)
貝原さんは視線を外してため息をついた。
「貴女には関係の無い話ですから」
確かに私に政治はよく分からない。
ましてや党の寝返りだのなんだのなんて天の上の話である。
でも貝原さんに私の関係無い話なんて言われたらショックなわけで。
私は貝原さんに用事を思い出したとその場しのぎの嘘をついて店を出た。
予約してもらって、まだ料理も食べていないけど、とてもじゃないがゆっくり食事を楽しむ気分ではない。
部屋を出るときに貝原さんが私の名前を呼んだ気がしたが、その後追ってくることはなかった。
私はタクシーを拾ってマンションに帰り、部屋に着くとそのままベッドになだれこんだ。
関係無いという言葉がずっと頭の中でこだまするので泣きたい気分だったが、先程無駄に緊張したせいか気が緩んで、そのまま眠ってしまった。
今日は一体何時間寝るのだろう。
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みひろ(プロフ) - 私は高橋一生さんが好きです！はい。謎のカミングアウトですが。私も作品を書いていたりしています。受験生なので書くことは控えてるのですが変わらず読んでます！それで何回もこの作品に目を通しています！好き過ぎて笑えます！まだ読みたいです！頑張ってください！ (2017年12月17日 1時) (
レス) id: a20e0036da (このIDを非表示/違反報告)
ぬここ(プロフ) - ふみさん» コメントありがとうございます！1~2年前に書いた作品なんですがやはり完結させたいと思ったのでまた少しずつ書いていきたいと思います(*´ｰ`*)コメントありがとうございました♪ (2017年2月25日 22時) (レス) id: eed32908aa (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 今1番好きな作品です！！貝原さん、可愛い！！！更新すごく楽しみです！ (2017年2月19日 23時) (レス) id: d937405712 (このIDを非表示/違反報告)
なお - すごく面白くて私好みでキュンキュンします！更新楽しみに待ってますね！ (2015年11月28日 11時) (レス) id: 45f92141f7 (このIDを非表示/違反報告)
みな - すごく面白いです！更新頑張って！！ (2015年10月30日 18時) (レス) id: 21a36e2240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬここ | 作成日時：2015年9月20日 11時
