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*事の始まり*4* ページ7

表通りでごちゃごちゃしてると目立つので路地裏へ移動。

「私のお話…聞く気になられました?」

「はいはい、さっきも聞いてましたよー。
で、オリンポスの護衛ってどういうことだ。」

「言った通りですよ?私は護衛をしているのです。
私にはオリンポス様方から頂いた、“炎の力”がありますから。」

「………“炎の力”…?」

信じられる訳ないだろ。

「あ、今信じられる訳ないって思いましたね。」

「ぶふっっ!!!」

飲もうとしていた水を思いっきり地面にぶちまけた()オレ。

「ゲホッゴホッ……な、なんなんだよお前はッ!!」

「んー…簡単に言いますと、唯の人殺しです。」

………………こいつ、今なんつった。

サラッとすげー事をカミングアウトされた気がするんだけど。
しかも笑顔で。

「私には、表情は存在しても、感情が存在しませんから。」

「…はぁ……?」

「要するにですね。」

レイチェルは路地裏から見える人混みを見据え、手をかざした。

「ファースト=アクシデント。」

「なんだよその安易な名…前……。」

オレは、目を疑った。
否……疑わざるをえなかった。

「これが、私の力。オリンポス様から」

「てめぇふざけんなよ!!」

オレは、気づくとレイチェルの胸元を掴んでいた。

「離して下さい。」

「その前になんとかすることあるだろ!!
何考えてんだよ……。おかしいだろ!!」

「………は…そんな顔も出来るんですね。」

「はぁ?ふざけてんじゃねぇよ。
お前…いきなり……。」

その時。チリッと手に痛みを感じ、オレはレイチェル手を離した。

「ふう…やっと離して下さいましたね。」

「は…?」

レイチェルはオレの横をすり抜け、表通りに背を向けるように立った。

「私は、この世に生を受けた際、命令されました。」


「邪魔をするヒトを排除しろ。と。」

火の海と化した表通りを背にし、淡々と告げるその表情は、とても冷たかった。

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作者名:茶黒猫 | 作成日時:2014年12月19日 20時

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