オレは神々に愛されていたようです (ページ14)

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＊南方へ＊3＊ページ14

「…そー、か。知らんのか。」

いや、だから何が！？

「いや、ええわ。てか…助けんでええの？」

「あんたがやったんだろ！！？」

まず、あんなとこまで行けねぇよ…。

どうしよう。

「～！！グッて！グッて足に力を込めればいいんですよ！」

ごめん、説明がアバウトすぎてわかんねぇわ。

「………あんさん、ほんまに…A、か？」

後ろにいた男性、オデュス…と呼ばれていたか。
が、ポツリと言った。

「…どういうことだ？」

「あんさんがほんまにAか…って聞いとんねん。」

「…オレの名前はAだ。」

「…………………俺の思い違いか。
　こんなんも出来んし…アーサーも知らんのやったら、俺が思とった奴とちゃうわ。」

……なんだよその言い方。

ちょっとイラッとしたぞオレは。

「…お前の思ってた奴はどうか知らねぇけど、オレはオレだ。
Aって名前は、オレの親からもらったんだ。」

グッと全神経を足元へ注ぎながら言う。

「バカに、すんな。」

刹那、何かがオレの足元で爆ぜる。
否、オレが爆ぜさせた。

「よっ、と…。」

ただ、あんな大口叩いておきながら土が変わっていないところを見ると、さして跳べなかったらしい。

「…やっぱ無理だったか…？」

下げている顔を上げようとすると。

ゴッッ

「痛ぁぁぁっ！！？」

「わぁぁぁぁぁっ！すっ、すみません！」

柔らかに揺れるオレンジ色の髪。

朗らかな赤目。

「レイ……チェル…？」

「A、様ぁ……。」

ガバッと抱きついてきたレイは、小さく震えていた。

「…………えっと…。」

扱いなれていないオレは、とりあえずぽふぽふと頭を撫でておいた。

「…やっぱり、な、A…。
　俺が探しとった…。やっと見つけたで、A。」