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社屋の雑用係です! ページ1

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「こんにちは〜」

「おはようございます〜」

「こんばんは〜」

「お疲れ様です〜」



腰を曲げて頭を下げて、そろそろ痛み始める午後

なんでも屋という所謂雑用を任されているYG事務所の社蓄、ひよっこ、下っ端、キムAいむにだ


入社して一年
後輩ができてはいるものの、私の仕事内容は変わらず
社屋内を駆け回り、力を使い、頭を使い、精神をも消費していく

そんな私は今となっては雑用係プロフェッショナル
私の手にかかればどんな物でもあんな物でも


すっかり、会社の要

きっと私がいなくなったらYGはっ倒れるのでは



「Aちゃん〜!」

「キムAさん!」

「Aー」

「キムさん?あ、キムAさん!」



「はいはいなんでしょ〜」



この会社の中で、私の名前を知らない人など、誰1人いないでしょう…

ただ一個だけ言うなら、姓はキムでない方が良かったよね



「さすがだよ…いつ昼飯食ってるのかも分からない…え食べてるよね?」

「食べてますよ〜」

「いつどこでだよ…今度たらふく食わせるからな」

「あざーす」

「はぁ、」



この隣でコーヒー片手にため息を吐いたのは、treasureのマネージャーさん

もちろんtreasureの方にも雑用行くからお世話になってる



「でもお前、アイドルには良く知られてねぇのな」

「…まぁそれがいいです」

「スタッフは誰でも知ってんのに…不思議なもんだ」

「雑用だからじゃないですか」

「裏方の裏方…だもんな」



スタッフの裏方なのに、どうやってアイドルに知られるか

アイドルが見てるのは表面で完成された努力を見せてるだけのスタッフ
私の仕事なんざ、目もくれずに

ここが、私の仕事の面白いところだ

認められるために働くことへの美徳なんて、1ミリも含まれてないっていう



「マネージャーさんくらいですよ」

「なにが?」

「私がいるのが当たり前じゃないって、分かってくれてるの」

「おう、分かってるでい」

「さすがっす」



そしてグータッチ

今度たらふく食わせるって言葉に甘えて、飲みに行かせていただきたい



「てかなんなら俺話してるから、メンバーに」

「なにを」

「こういう奴がいて、こういう事してあんな事して、毎日頑張ってるんだよーって」

「やめて下さい?お節介です」

「おいおい、良心でやってんだからそう言うなよ〜」

「大丈夫です」

「冷たいやつだなぁ…」



その優しさ

身に染みる




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名無し92598号(プロフ) - このお話めっちゃ好きです!続き楽しみにしてます!! (1月6日 14時) (レス) id: 01e4d13d34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しょうが風味のけーき | 作成日時:2024年1月5日 0時

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