【歌い手】世界と歌い手さんが騙されてるので、潰します。4【合作】 (ページ33)

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続き

顔を上げると、涙の跡が残る頬で笑う空が。

「ふゆ、落ち着いて。Aには手ぇ出させないから、ゆっくり確実に解いて。」

露出する細い、小麦色に焼けた二の腕には数え切れないほどの痛々しい傷がある。

私は周りを見た。

こちらの能力か、向こうの能力か、随分とひどい有様になっている。

空にそびえ立つ木の根は黒く焦げ、煙を上げている。

ステージなんて戦いの中心になっているので、ベニヤ板が折れ、焦げていたり水浸しになっていたりと散々だ。

観客は当たり前だが一人もおらず、パイプ椅子はひしゃげ、折れ、地面に突き刺さったり誰かの腹部に刺さっている。

もう進んでいたのだ。

あの未来に。

能力が戻ったとして、使いこなせるようになったとして、ここからあの未来を回避することはできるのか。

不安になる。

「不安は後回し！全部終わってから文句行ってくれていいから早く解けバカ！」

「…！」

「ふゆは私達の頭脳だから！ふゆが唯一の勝機なんだって！だからなるべく早く、ミスせずに、完璧に解けい！！」

「注文多いよ！」

「みんなそれだけ期待してんの！」

たまらずつっこむとそう返され、言葉をつまらせたスキに空はもう他の人のカバーに入っていた。

大事な友人にあれだけ言われ、燃えない人がいるだろうか。否。

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「…いいよ、やったるよ。知恵比べなら負けないからな…」

冷亜に向けて呪詛を放った。