126.....続けてかほside ページ24
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冷亜はニコッと笑って何かを引っ張るように手を動かした。
ふゆ「んなぁ、えぇ?!」
すると、ふゆの体がグイッと持って行かれる。
さっき天月が切り忘れた糸でもあったのだろうか。
ふゆの太ももや腕は糸にきつく締め上げられて傷付き、血が流れる。
冷亜が左腕でふゆの首を巻きとる。
身長差があるから出来るのだろう。
冷亜「これで厄介な予知と回復の能力者を封じたね。」
可愛い女の子の体にはなるべく傷付けたくないんだよね〜と言いながら、細いながらも綺麗に筋肉がついた左腕でふゆの首をぐぐっと締めていく。
ふゆ「ぁ…」
最初は腕を引き剥がそうとじたばたしていたふゆも段々と力が入らなくなって、体から力が抜けていくのが見える。
そこに至るまで僕達が何も手を出せなかったのは、攻撃したらふゆに当たるかもしれないという恐れがあったからだ。
天月が星のような何かを完全に死角から落とそうとしたが、冷亜のかなり上でぐしゃっと崩れる。
浦島坂田船の能力も同様に防がれる。
じゃあ僕が。とナイフを持って走り込むと、空も反対側から走ってくるのが見えた。
魔法は使えない。
1日3回しか使えないのだから、無闇矢鱈と使えない能力なのだ。
相変わらず冷亜はニヤニヤ笑っている。
すると、僕の足元から巨大なツルが出てきた。
それを避けたが、ツルはありえない動きをして、その体を横に振ってきた。
さすがに予想してなかった動きをしてきた為、避けきれずに直撃してしまう。
ゴキ。と左腕から嫌な音が聞こえた。
反対側の空は炎に顔半分を焼かれていた。
かほ「っっ!!」
空「あ"あ"あ"あ"あ"っ!!」
慌ててまふまふが空と僕の体を移動させてくれたお陰で2発目は避けられた。
反対側にいる坂田と浦田を睨む。
浦田「俺はやってねぇよ!確かにあれは俺と似た能力だけど、俺の能力じゃ、あんなおかしい動きさせられない!」
坂田「いや俺もだし!俺がやるんならもっと温度高くするわ!」
それってどうよ…と周りにつっこまれる。
慌ててふゆを見ると、冷亜が若干腕を緩めているのか、まだ無事だった。
人の苦しむ顔が好きなのか。と、ぽろぽろと涙を流して苦しんいるふゆの顔を覗き込んでニヤニヤしている冷亜を見て思った。
うん。キモい。早くあいつからふゆを救出しないとふゆがアッチ方面に目覚めちゃう。
という妄言はおいておいて、どうやって近付くかが問題だった。
厄介なのはあいつが張っている分厚い防御盾。生身の人間は入れるらしいが…
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