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かほside


ふゆと空がばたりと同時に倒れる。

ふゆの髪と眉とまつ毛がさっとハケで塗ったみたいに真っ黒になった。


きっと今目をこじ開けたら空の目も、本来の色に戻っているだろう。



冷亜が冷たい目をしながら指をクイッと動かすと、2人の体はグイッと持ち上がった。


冷亜の指からは糸が見えて、2人の服や太ももや腕は、細い物で締め付けられているようにキュッと細くなっている。


2人は眠ったまま。

いつの間にか手元にあったポケットナイフで糸を切ろうと走り出そうとするが、その前に2人が飛び出した。


かほ「クプラ!天月!2人に糸がついてるから切れ!」

2人はそれぞれ空とふゆの体を持って逃げようとしていたが、僕の言葉に固まる。


クプラは小ぶりの細い黒い剣で空の糸を切って、空を抱き抱えて後ろに飛ぶ。

天月はそれを見て、同様にふゆを抱えて後ろに飛んだ。


クプラはともかく、何故天月が…と思ったが、天月は僕にだけ怒りを覚えてたようだし、その疑いも晴れた今ではふゆを助ける事に躊躇は無いのだろう。



にしても危ないところだった。
糸に気付かずにそのまま抱き抱えて後ろに飛んでいたら2人の手足が糸に切られていただろうから。


相変わらず万能そうな能力やなぁ…と思っていると、空とふゆが目を覚ました。



その途端、ふゆの髪は元の白色に戻る。


2人とも泣いていた。


普段泣くのを見た事がない2人が、泣いていた。


空は立ち上がり、顔を歪めて、嗚咽を漏らして。

ふゆはぺたりと座り込んだまま、眉をしかめて、大粒の涙を零して。

125……久し振りのかほです→←終わりの冬の世界



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作者名:松野かほ&白鼬 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月25日 22時

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