102 ページ27
Aside
挨拶もそこそこに、私達生徒はみんな寮に戻っていく。
どこか浮ついた空気なのは仕方がないだろう。今日はお祭り騒ぎだったのだ。
少々羽目を外していた人たちもいたが高校生のノリ、若気の至りということで先生も今日は大目に見ていた。
私は明日着るミスコンの衣装を紙袋に入れ、陰鬱なオーラを出しまくりながら共同のリビングルームのソファーに腰掛ける。
なんで男装したのに投票で一位になったのかな。あれ、ミスコンってなんだっけ?男装した人が優勝するのかな?あれれ?
と、もう決まったことをぐちぐち考える。
紙袋から覗く綺麗に畳まれた浴衣。
これを明日着て大勢の前で披露しなければならないということにも、れいらさんの異様な視線にも耐えきれなさそう。
今かられいらさんに全部押し付けてとんずらしようか。
いや…着付けのできる空にはもう頼んじゃったし、髪とメイクもふゆに頼んじゃったから今更やっぱやめます。なんて言ったら迷惑がかかるだろう。
……とりあえずお風呂入って明日の準備して寝よう。
いつも通り。それが一番。平和が一番。
着替えを持ってお風呂に向かうと、ちょうど上がったらしきポカポカしたふゆと空が。
仲良く2人で入っていたらしい。良くも悪くも人との距離が近い2人だから気も合うんだろうな。
「明日はよろしくね。回る時間潰して悪いけど……」
空「ぜーんぜん大丈夫!楽しみにしてますぜ?Aちゅわんの恥ずかしがる姿!」
ふゆ「私もいち早くAの晴れ姿見れるから役得だよー。ケバくはしないから安心して。」
晴れ姿って。成人式の娘か。
相変わらずの呑気コンビに苦笑し、じゃあまた明日。と別れた。
そういえば生徒会役員たちは校歌か知らんけど歌うんだっけか。
明日は忙しくなるなー
お風呂に浸かりながら目を瞑ると、なぜか〇〇◯さんの顔が浮かんだ
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はの - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってくだせぇ! (2019年3月13日 21時) (レス) id: c35c259743 (このIDを非表示/違反報告)
白鼬(プロフ) - そこの駄作者さん» ほんっとうにすみません…! (2019年2月21日 23時) (レス) id: 41bccf14f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ