深まる謎 ページ28
「……これまでもそうして居たの、キュウビ？」
「そうじゃなきゃ、あの辺りの安泰はまずないだろうねェ。
とりあえず、それまで精々頑張るんだね。応援してるからさァ!」
小さく笑ったキュウビが、そう言い残した後に姿を消す。
──結局、事件の犯人は狐ではなかったが
狐のおかげで今後の妙な事件は無くなる事になったようだ。
「あ…………」
「行っちゃった……」
キュウビに見返すためにやってきたコマさんだったが、
話には触れられずしょんぼりとした様子を見せるのに
フミも溜息交じりに呟く。
「何だか納得いきませんが、一先ず丸く収まったようですね」
「……でもキュウビが言ってた“真実”ってなんの事だろう？」
「それはこれからの課題と言ったところですかね」
何にせよ、今はどうしてもわからないだろう。
疑問の声を上げるケータに答えたウィスパーの声を聞きながら
口を噤んだ神楽は、ただじっと目の前の夜の暗闇を見つめる。
一方で、ケータとフミを見上げたコマさんがおずおずと会話に入った。
「あの……一緒に来てくれてありがとう。
オラと友達で居てくれるズラか？」
「もちろんだよ。これからもよろしくね、コマさん」
「もちろんよ」
「苦楽を共にした者同士、仲良くしていこうじゃありませんか」
ケータとウィスパーからは快い返事が来る。
嬉しそうに笑ったコマさんは、そこから更に視線を移し。
「神楽も……」
「！……」
不意に呼びかけられて、じっと前方を見つめていた
神楽が振り返ると、きょとんとした顔つきを見せる。
何か考え事でもしていたのだろうか──
まさに今、我に返ったといったような様子だった。
「十年も会わなかったけども……
それでもオラ、神楽と友達で居たいズラ」
「……コマさん」
かつて出会った事のある彼らが、久しぶりに再会した。
今回、そこにはさほど気まずさは無かったものの
何となく距離間を感じていたコマさんが思い切って言ったのに
神楽は小さく笑いながら頷いて見せる。
「ありがとう、こうしてまた会えて嬉しいわ」
「オラもズラ！」
「…………そっか」
コマさんも嬉しそうだった。
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花の巫女(プロフ) - 寝高麗☆とらじろーさん» コメントありがとうございます！ケータといつも一緒にいるのがジバニャンなので、有りです。 (2018年8月12日 17時) (
レス) id: a6d70f2405 (このIDを非表示/違反報告)
寝高麗☆とらじろー - フミちゃんの妖怪、コマさんはどうですか？ ←パートナー説があるので。 (2018年8月12日 15時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花の巫女 | 作成日時：2018年7月30日 21時
