ＶＳおぼろ入道 ページ25
バキィッ！！
隕石の術が何かに砕かれたような音が鳴り響いた。
「…………え？」
驚愕した三人を余所に……
バキッ、ゴリッ！
なんと恐ろしい事に、隕石の術を歯で
噛むことで……文字通り食い止めていたおぼろ入道が
更にその岩を粉々に噛み砕き、飲み込んでしまったのだ。
……それを見た全員の頬が引きつる。
「………出来るだけ……妖力で対抗した方が良いですね」
「メラ……」
「って呑気に言ってる場合じゃないぞ！」
笑みを引きつらせながら零した神楽に、
呆然とした様子のメラメライオンがなんとか頷き返す。
しかしヒメが我に返って叫んだ声によって、再び戦いが始められた。
その時、神楽が徐にヒメへ話しかけた。
「ヒメ、この刀に吹雪の術をかけて貰えますか？」
「任せるのじゃ」
ヒメが術をかけた刀をおぼろ入道へ投げる。
おぼろ入道はそれをまた食べた。
「……オ、オラも……オラも、た、た、戦うズラ……！」
「えっ！？コマさんも……？」
「キュウビに見返すズラ……！その為には、戦わないといけないズラ！！」
ケータが驚いて声を上げてしまうのは、無理もない。
最後まで言い切って数歩前に出たコマさんの両足は
未だに、遠目から見てもガクガクと震えていたのだから。
「(だ、大丈夫かな……)」
何か凄く頼りなさそうなんだけど、と内心苦笑いするケータ。
「……なんだ？」
一方で、コマさんも加わり出した戦闘に変化が起こった。
ヒメが吹雪の術で、メラメライオンが火炎の術でフクが隕石の術で
相手が怯むタイミングを見計らっていたが
その中に申し訳程度の小さな青い炎が視界に入って、攻撃の手を止める。
小さな炎を受けているおぼろ入道にとっても、
それは蚊が飛んできたかのような感覚でしかないらしく
あからさまに鬱陶しそうにいちいち青い炎を片手で払っていた。
「……この青い炎……まさか、コマさん？」
「ズラッ、ズラ、ズラッ！！」
神楽が眉を寄せながらコマさんを見つめると、
三人の傍で目を逸らしながら敵に向かって
妖術を放っているコマさんの姿。
「…………(それじゃまともに術を打てないわけです)」
せめて敵の姿を見ながらでも戦って居れば、
力の調節も出来ただろうに……と何とも言えない心情を抱く。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花の巫女(プロフ) - 寝高麗☆とらじろーさん» コメントありがとうございます！ケータといつも一緒にいるのがジバニャンなので、有りです。 (2018年8月12日 17時) (
レス) id: a6d70f2405 (このIDを非表示/違反報告)
寝高麗☆とらじろー - フミちゃんの妖怪、コマさんはどうですか？ ←パートナー説があるので。 (2018年8月12日 15時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花の巫女 | 作成日時：2018年7月30日 21時
