事件の黒幕 ページ24
「(あ、赤鬼の時と似てる……！)」
目の前に、その妖怪が現れた時の戸惑い。
歩くたびに地面が揺れては、脳が浮くような感覚を覚えた──。
「さあ、あいつを倒してごらんよ。桜町を守りたいんだろう？」
冷や汗を流す二人に、そう言い残したキュウビが空高く宙を舞う。
その様子を見て、真っ先に目の前に駆け出したのは
──それまでずっと無言で居た、神楽だった。
「……待って、キュウビ！！」
「！………」
足場のギリギリの所で彼女が立ち止まり、声を上げると
その姿を認めてか、あるいは声を聞いてか──
キュウビがわずかに目を見開いて反応した。
「……その声、その顔つき……
長らく顔を見なかったけど、なるほど……」
暫く神楽の姿を見つめたキュウビが
小さく呟きながら自己完結し、一瞬の間に目を伏せると
すぐに顔を上げ、彼女の姿を見下ろし……
「神楽！君がもう一度立ち上がったと言うのなら、奴と戦い抜いて見せなよ！」
「………！」
「僕をわからせてみな。君が今度こそ、
最後まで戦えるのかをね！！」
キュッと唇を結んだ神楽の目の前で、
紫の靄と共に姿を消したキュウビ。
それと入れ替わりになるように、彼女が感じ取っていた
妙な気配の原因……巨大な妖怪が、
眼下の方から建物によじ登るようにして姿を現した。
「あ、あわわわわ……！！」
ケータの足元で、コマさんが怯えてガタガタと震える。
神楽は、巨大な妖怪──おぼろ入道を見据えながら
片手に脇差しを構えた。
「(やるしかない……!!)フク、頼みますよ」
「キュピ！！」
「──俺の友達! 出て来い、メラメライオン!!」
ウォッチランクがＣになり、新たに友達になっていた
メラメライオンを、ケータが呼び出す。
「メラーッ！！」
「先手必勝、ね？」
叫ぶような声を上げたメラメライオンに、
小さく笑った神楽が返した。
ケータには前者の話し言葉は全くわからなかったが、神楽にはわかったのだろうか。
目を眩ますようにして火炎の術を放つメラメライオン。
「ぅぉぉおおお……っ！！」
両目を潰されて前方が見えなくなった敵は、
片手で目を覆いながら声を上げる。
その隙を狙って、ヒメが吹雪の術を、フクが隕石の術で攻撃を仕掛けたが──
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花の巫女(プロフ) - 寝高麗☆とらじろーさん» コメントありがとうございます！ケータといつも一緒にいるのがジバニャンなので、有りです。 (2018年8月12日 17時) (
レス) id: a6d70f2405 (このIDを非表示/違反報告)
寝高麗☆とらじろー - フミちゃんの妖怪、コマさんはどうですか？ ←パートナー説があるので。 (2018年8月12日 15時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花の巫女 | 作成日時：2018年7月30日 21時
