フラワーロード ページ17
〜・〜・〜・〜
翌日は、サラリーマンも休日の日曜日。
昨日、頑張って書類を父親の元まで届けた結果
素敵な事に自転車を買ってもらって、ケータも上機嫌だ。
実はフミも買ってもらい至極上機嫌だった。
「良かったですね、ケータ君。
一生懸命、書類を届けた甲斐があるってものですよ」
「うん！」
自転車を漕いでいる中、そのスピードに
宙を浮いているウィスパーもしっかりついて来ていた。
やっぱりどんなに早く漕いでも振り切れないんだろうな、
と思わず心の中でぼやいてしまうケータ。
「……ま、良いか。もう慣れたし！」
「……えっ、なんの話です？ケータ君」
「なんでもなーーい！！」
今日は桜町フラワーロードの方まで行く。
少し離れているが、自転車を使えば苦ではない距離だ。
父親に“団々坂の方から行くんだぞ”と釘を刺されたので
言われた通りに、車の通りの少ない団々坂への道を走った。
〜・〜・〜・〜
「ここが桜町フラワーロードですか。
中には色々なお店があるようですね。
折角ですから、どこかのお店へ行ってみましょう」
「そう言えば、欲しい漫画があるんだった。もう出てるかな？」
「それなら、本屋さんへレッツゴー！妖怪の本もありますかね。楽しみです」
「…………無いと思うけど……」
本屋は通りの南側の、どっこい書店。
目的の店まで向かいながら、途中に構えられている店を眺める。
洋服店から様々な飲食店まで並んでいて、
歩きながら視線を向ける分には全く飽きない。
「よーしっ、漫画、漫画ーっ」
それほど長い道ではないので、どっこい書店にはすぐにたどり着く。
賑やかだった通りから静かな店内に入ると、
カウンターの方から店員の硬い声が聞こえて来た。
「──そのつもりはないと言っているでしょう」
「…………！」
……何やら不穏な雰囲気だ。
同じ様子を察知してか、ケータとウィスパーの目が合う。
「とにかく、他のお客様の御迷惑になりますから、お帰りください」
「…………。では、また伺います」
既に顔なじみとなった店員の険しい顔つきの向かい側には、
一人の男の会社員が立って居た。
しかし話を聞けないまま店を出て行ってしまい、
いよいよケータが首を傾げさせる。
「今のなんだろ……？」
「何かトラブルのようですね。……あ、丁度そこに見知った姿が在りますよ」
ウィスパーが示した方向を見て、
“あっ”と小さく声を上げる。
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花の巫女(プロフ) - 寝高麗☆とらじろーさん» コメントありがとうございます！ケータといつも一緒にいるのがジバニャンなので、有りです。 (2018年8月12日 17時) (
レス) id: a6d70f2405 (このIDを非表示/違反報告)
寝高麗☆とらじろー - フミちゃんの妖怪、コマさんはどうですか？ ←パートナー説があるので。 (2018年8月12日 15時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花の巫女 | 作成日時：2018年7月30日 21時
