全員、獣【白鳥沢】

#16 ページ17

…




妙な沈黙が走る


少しびっくりしたのか瀬見先輩の目が見開いた







じぃ…と見つめてくる先輩の瞳が近づいてくる



え！？これでもダメ！？









「指、借りる」






え？


そんな言葉を言う前に唾液を共にした指が口から抜き取られ、一瞬空気に触れて冷たく、
すぐに生暖かい感触が指に伝わる









ぇぇえええええ！！！！？？？









ん！！！？？んん！？

待って、状況が理解できない！！！！
あれ、いつの間にか私の口にあったハズの指が先輩の口に！？



てかこれ、間接キスってレベルじゃないような…






めちゃくちゃ緊張してたから唾液めちゃついてるよ…！！！！







顔を百面相化している私の顔を見て楽しんでいるのか、したの感触が指先に触れる








「ひぃ！！！！！！！」



色気のない声が響く




指をひたすらに舐める先輩と目が合わないように下を向く








艶かしいリップ音が水道場に響く


これ、いつまで続くの！？

いや、恥ずかしいしなんか妙な雰囲気だし終わりが見つからないし




「ちょ、瀬見先輩、部活が……







………………ッ！！！！」




ガリ。という音とともに身体中に電流が走ったようにビクッと揺れる





さっきの切れた指とは違う箇所に痛みが走る






恐る恐る先輩の方を見てみる









唾液とともに口から出てきた指には先輩の歯の跡がくっきりと残ってきた









「俺の、指輪」









そう言って笑う先輩は色っぽくてもう、無理…

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