全員、獣【白鳥沢】

#12 ページ13

ヴ、つらい…



前について行くなんて余裕かましてた自分をビンタしたい。



余裕で最下位である。




くっそ〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！

腹減ったよ！！！力が全然湧いてこない…



このまま倒れたら誰か運んでくれないかな


馬鹿なことを考えながらフラフラとゴールを目指す



後から軽やかな足音が聞こえてくる


あー、男子の速い人は大抵最下位に追いつくんだよな〜


女子は3キロだが、男子は5キロで学園を一周してから女子のコースにくる



プラス2キロ走ったあとなのになんでそんなに体力あるんだよ…分けてくれ…



タッタッタッ




あ、近づいてきた、顔でも拝んでやるか





「よう、重そうだな、胸(それ)」



「お前かよ…！！！」



余裕そうな真顔で語りかけてくる川西太一の姿



「変なところ見るな！！！！」


川「だってよ〜、すんごい揺れてんだもん



見るしかなくね？」




「うるさい！！！黙れ！！！！獣野郎！！！」




白布にホックを外された時には気付かなかったが、今日はスポブラじゃないからすごく揺れることに気付き、すごく恥ずかしくなる




川「なあ、俺が持ってやろうか？胸(それ)」



無視しながら冷静に思う、なんでこいつこんなに余裕そうなんだ！！！




セクハラ発言かましながらも全然息乱れてない




化け物か…！？





「てか胸持つとか…何！？


取り外せたら…！苦労しないわ！！！！！」



息を整えながら途切れ途切れに反論する


くっそ、体力なくなりそう…！！！


川「ふーん、持っては欲しいんだ」



「…ッは…？？」



すると川西がだんだん近付いてきた



「な、に！！！」





川「持ってやろうか？…これ」









腰に川西の細い指が滑り、胸に這わせる


「ひ…」







思わず声が漏れる






満足そうにすこしにやけた口元の川西をぶん殴る







「本当に変態！！クズ！最低！！！！！」




その瞬間、私の体力が底を尽き、目の前の角度が360度回り何もかもわからなくなった

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