第87話 ページ41
「大事な物なの、
だから、お願い…」
泣きながら懇願した所で
返してくれるはずもなく
ともから貰ったネックレスは
翔太の手に 握られたまま
『あいつのこと思って
泣いてんの？』
翔太の手が振り上げられて
私の頬を また叩く
部屋に響く 乾いた音
男の人の力は強くて
頬の感覚が、遠のいていく
そうだよ、
こんなに 涙が溢れてしまうのも
私の心が
ともで埋め尽くされてるから。
でも
そんな事を言ったら
次は何をされるんだろう
翔太が考えてることがわからない、
怖い
『Aのこと、愛してるから
こうするんだよ？』
翔太がそう言ったのと 同時に
" 俺には、Aだけだから "
翔太の、この言葉を思い出す
あの時は気付かなかった
翔太の、この言葉に
いろんな意味が込められてることに。
「愛、してるから…？」
『そう。
俺にはAだけだから。』
少し沈黙が流れた後
" Aもそうでしょ？ " と
翔太は 私を見下ろしたまま
こんな状況なのに
ともの顔が思い浮かぶのは、何故だろう
無理なはずなのに
助けて欲しいなんて、届くはずもないのに
黙り込むと、
翔太は舌打ちをして
今度は、私の腹部を殴った
「うっ…」
とてつもない
痛みだった
一瞬 息が出来なくなって
必死に 息を吸う
『ここから、一生出さないから』
そう言って 翔太は
部屋のドアを乱暴に閉めた
ドアの向こうから
鍵を閉められたような音がする
「助けて、」
小さく呟いた 声
誰にも届くはず無いのに
私は ここで
苦しめられながら 一生を終えるんだ
死 ぬまで あと少しかもしれない
だったら
最後ぐらい
ともに言えばよかった
" 好きだよ "
" さようなら "
どうして、
私は こういう運命だったの？
溢れ出した涙は
止まらない
頭がうまく働かなくて
こんな所で 傷つけられながら
死 んで行くぐらいなら
自分で人生を終わらせた方がいい
でも
両手が縛られた状態だから
死を選択する 自由さえもない
身体が 酷く疲れて
そのまま、床に倒れ込んだ
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ホッとココア(プロフ) - 漣さん» 漣さん、コメントありがとうございます。とても嬉しいです(;_;)これからも頑張ります。応援してくださり、本当にありがとうございます(;_;)これからも読んでくださると嬉しいです！ (2018年1月6日 14時) (
レス) id: 03aab38a7b (このIDを非表示/違反報告)
漣(プロフ) - いつも楽しみに読ませていただいてます！評価を１回しか押せないのが歯痒いくらい素敵な作品で、続きまだかなーなんてそわそわしてます笑これからも応援してます！ (2018年1月4日 23時) (レス) id: 5c30d3d3e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ホッとココア | 作成日時：2017年11月12日 21時
