Will you be mine?【4】

第166話 ページ23

その後、

北斗さんが 証拠として





彼が私に付きまとっていたこと



彼が私に一方的に気持ちを

寄せているだけであること


また、それに私が同意していない事




彼が『彼女を殺 して自分も死 ぬ』と明言したこと



私の自宅玄関に設置した防犯カメラに

彼が写っていて、その服装や特徴が

私が話した特徴と一致したこと




など、証拠を並べて行く






［…以上のことから、

検察側の考える求刑は以下の通りです。



被告人の本件での犯行を考慮し、

相当法条適用の上、無期懲役に処する、

を相当と思料いたします。］



(※相当法条適用

適用すべき法律の条文)






【では弁護人、

最終弁論をどうぞ。】






［裁判官の皆様、裁判員の皆様、お疲れ様です。

まず、被告人は倉木Aさんと

親しい恋人関係にありました。



この事を先に把握して頂き、


これからあの被告人が無罪である理由を

述べていきたいと思います。］







弁護人が

次々と 彼が無罪だという根拠を並べる







［よって、被告人は無罪が言い渡されるべきです。

以上です。］






弁護人は、表情ひとつ変えずに

そのまま着席した








【被告人は、最後に何か言うことはありますか？】







『先ほど、弁護士の先生が

言ってくれた通りです。


ただ、僕は出所しても

彼女を探し出し、必ず彼女と一緒になります。』







" 僕にとって 彼女だけが全てだからです "



そう付け足した、彼の声に

一切の迷いが無かった








彼の言葉を聴いて


まだ付き合いたての頃の

初々しくて、楽しかった時が


頭の中に蘇る






どうして、彼の愛がこんな形になってしまったのか





彼のことが怖くて仕方無いのに


彼がこうなってしまった原因は

私にもあるような気がして








【わかりました。

これで本件の審理は全て終わりました。】






【評議において皆さんは、

私たち裁判官と完全に対等な権限を持っています。



裁判官だから従うということはせず、

自由に意見を述べて、納得いくまで

議論をしてください。



そのうえで評決を行うことになります。

それでは、評議に入りましょう。】







裁判長が

" 閉廷します " と真っ直ぐに前を見つめた

第167話→←第165話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す