いいから早く寝てしまおう (ページ17)

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hr ページ17

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「ルトヤ〜」

朝の8時

少し外も明るくなり始めた時間帯の気持ちのいい日

隣で布団にくるまったままのハルトに声をかける

最近大人になったからって私の家に泊まりに来ては、こうして2人で特に何もしない休日を過ごす

何気にその空間が一番楽ではあるんだけど

「ルト、起きて朝だよ」

hr「んー…」

変に唸った声を出してもぞもぞっと動くハルトは、私から見たらまだまだ子供

でもそんなこと怒るから言えない

「ほんとよく寝るね」

hr「…なんや」

「おぉ、朝から当たり強いな」

ハルトの少し出た顔

手を伸ばして髪をとかしてあげると少し眉を顰める

機嫌が悪いのはいつものこと

でも彼の場合は、本当に嫌がってるわけじゃない

hr「眩しい、」

「目閉じちゃダメ、そのまま起きて」

hr「いいから、」

眩しいとまた少し眉を顰めるハルト

それに笑ってたら、グイッと腰に回った腕で体ごと私を引き寄せる

一気に広がるハルトの優しい香りに私も眠気を誘われてしまう

hr「寝させてや、」

「だめだよ〜せっかくの休日なのに」

hr「せっかくの休日だから寝るんやろ」

「時間がもったいないでしょー」

hr「嫌やて」

「拗ねるなこら」

そうやって少し言い合いっぽくなるわりにはハルトの顔は穏やかで、

少しずつ目が覚めて来たのか私を腕の中に収めたまま顔を見合わせた

「朝ごはんは何がいいですか」

hr「んー」

「何でもいいは無しね」

hr「分かってるし、」

「はは、また拗ねた」

朝ごはんは何がいいかと聞いたとき、「何でもいい」は禁句である

何度もその言葉を口にしてきたこの男は、私のおかげで理解のある立派な男性になった

少し不満そうなのは甘くみるけど

hr「じゃあ、Aがいいかな」

「私？」

まっすぐと私を見るわけでもなく、天井を見ながらそう言ったハルト

「それデザートだよ」

hr「いや、俺の主食だけど」

「、」

hr「拒否しないなら食べるけど」

「ちょ、と、待って」

なぜかスイッチの入りそうなハルトを急いで止めて、少し距離をとった

私と彼の間は１メートルも離れていない

けど名残惜しそうに私を包むその腕が私を引き寄せようとする

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