嫉妬と貧しさ.3 ページ3
シルバーの真っ直ぐな眼差しは、一本の槍のように妖精の心を貫いた。
彼の言葉に、そして瞳に怯んだ妖精は、悔しげな表情でシルバーを見下ろした。
「……あのねシルバー、言っておくけれど、アイツのそばにいたって、アイツから何を貰ったって、貴方が強くなれるわけじゃないのよ〜？」
妖精の顔は、妙に真剣だった。
「貴方はあの騎士に憧れているみたいだけれど、貴方がどれだけアイツの技を見ても、どれだけアイツの真似をしても、どれだけ必死に努力しても、アイツの背にたどり着くことはできないわ〜。
いいことを教えてあげるわ〜シルバー、この世にはね〜、持つ者と持たざる者がいるの〜。
持つ者、つまり生まれた時から恵まれていた者っていうのはね〜、少しの努力で欲しい物を掴み取ることができるの〜。
だけど、持たざる者、つまり何も手に無いまま生まれてきてしまった者はね〜、誰よりもがいても、誰より必死になっても、結局手に入るのは持つ者の足元にある物でしかないのよ〜。
それが何かは人によって様々。金銭、時間、美貌……
そして、“才能”」
妖精は、曇りの見える
「……貴方が一体どちらなのかは、いずれ痛いほどに分かるだろうけれど、これだけは言っておくわ〜。
あの騎士は、多くを持つ者よ」
彼女の最後の一言には、様々な感情が見え隠れしていた。それも、いたいけな少年が受けとるには手に余るほどに。
しかしシルバーは、彼女の言葉に臆することなく、その眸を見つめ返した。
「……おれは、あなたの言ったことの全部を理解することはできない。むずかしい言葉もよく分からないし、あなたの気持ちも、もちろん知らない。
……でも、これだけは分かる。
おれは、Aがどんな妖精であっても、ずっとAのそばにいる。
Aを大好きな気持ちは、きっとこれからも変わらないから」
シルバーはキッパリと言い放った。“迷い”という言葉を知らず、ただ一本の道を真っ直ぐに突き進むように、シルバーの心はAのそばから離れようとしなかった。
「……そういえば、あの日も“アイツと一緒にいる”って聞かなかったわね〜……
……はぁ……もういいわ〜……」
すると、妖精がそう言った瞬間、シルバーの足にツタが巻き付いた。シルバーは逃れようともがいたが、ツタは伸びる一方だった。
「力ずくでも私のモノにするわ〜」
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..... - 更新はもうされないんですか？ (2022年4月13日 12時) (
レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
南瓜(プロフ) - Mozu.さん» ありがとうございます！！一気読み……！本当に嬉しい限りです！！どうか完結までお付き合い下さいませ！！ (2022年3月9日 22時) (レス) id: 8227ed20e2 (このIDを非表示/違反報告)
Mozu.(プロフ) - 深夜なのに一気読みしてしまいました！！すごく面白かったです！応援してます！！ (2021年12月6日 1時) (レス) @page4 id: 4694592673 (このIDを非表示/違反報告)
南瓜(プロフ) - 海樹さん» ありがとうございます！最近は少し忙しく、なかなか執筆活動に勤しめないのですが、余裕ができればすぐにでも更新しますのでどうかお待ち頂けると嬉しいです！ (2021年11月6日 10時) (レス) id: 8227ed20e2 (このIDを非表示/違反報告)
海樹(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました！南瓜さんの作品大好きです！これからもよませていただきます！ (2021年10月17日 17時) (レス) id: 78c16ccd09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：南瓜 | 作成日時：2021年10月10日 2時
