行方.3 ページ28
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ジャミルとエイブは、絨毯の上から必死にAの姿を探した。だが、いくら見渡しても彼女は見つからず、焦りと不安で頭を抱えていた。
しばらくすると、ある湖の崖の上に、石のような何かが転がっているのが見えた。ジャミルが目を凝らしてよく見ると、それは子供達からもらったヤムイモとそっくりだった。
ジャミルは崖のへりに降りると、大きな声でAの名を叫んだが、相変わらず返事はなかった。
妙に騒がしく聞こえる波の音に嫌な予感がしたジャミルは、湖を見下ろした。
ジャミルは、なるべく身軽になろうと上衣を脱いで絨毯に預けると、崖から湖に飛び込んだ。
底に向かって泳いでいると、ジャミルは目を見開いた。
Aが湖の底に力なく沈んでいたからだ。
ジャミルは彼女の頬に触れて、顔をもう一度よく見てみた。
それは紛れもなくAで、いつもの綺麗な瞳はしっかりと閉じられていた。
ジャミルはAを抱いて上へ泳ごうとするが、何かが彼女の足を引っ張っているようで、なかなか持ち上がらなかった。
ジャミルがAの足元を見ると、鉄の足枷が取り付けられており、それが彼女の浮力を邪魔しているのだと理解した。
マジカルペンを取り出したジャミルは、彼女の足枷を魔法で外し、上へ昇っていった。
ジャミルは岸まで泳いでくると、ぐったりとしているAを横たえ、手足の縄をほどいた。絨毯とエイブも２人のもとへ下りてくると、Aの顔を覗きこんだ。
「A、A……！
頼む、目を覚ましてくれ……！」
ジャミルが撫でたAの頬は赤くなっており、肌には所々に薄いアザができていた。
Aが何かしらの暴行を受けたことを察したジャミルは、怒りの感情を目の奥に隠しながら、彼女の手を握った。
「……俺が、もっと早く来てやっていれば……」
ジャミルはそう呟いて、Aの指に優しくキスをした。
するとその瞬間、Aが突然大きくむせた。
肩で息をしながらゆっくりと目を開いたAは、ジャミルの姿を見て微笑んだ。
「…………ジャミル、助けてくれたの……？」
「あぁ、君が生きててよかった……」
ジャミルはAを強く抱きしめた。Aも「ありがとう」と言ってその抱擁に応えた。
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南瓜(プロフ) - バレーボールさん» ありがとうございます！！そんな風に言って頂けて本当に嬉しい限りです……！皆さまのおかげで星も赤くして頂けたので、いつかそのお礼も兼ねて番外編を書こうかなと思っています！少し時間がかかってしまうと思いますが、気長にお待ち頂けると幸いです！ (2022年4月1日 19時) (
レス) id: 8227ed20e2 (このIDを非表示/違反報告)
バレーボール - 一番いい形で完結していると心の中では思っているのに・・・・・・すっっっっっっごいその後の続きが気になってしまった・・・・・・。とても面白かったです！ジャミル最推しなのでこの作品に出会えて光栄です！ありがとうございました‼️ (2022年4月1日 9時) (レス) @page36 id: d448fd1791 (このIDを非表示/違反報告)
南瓜(プロフ) - 凌雲さん» コメントありがとうございます！！応援もすごく励みになります！サイコーだなんて言って頂いて、もう本当に嬉しい限りです！(≧∇≦)現在書かせて頂いているシルバーくんの作品もありますので、もしよければそちらも目を通して頂ければと思います！！ (2021年7月23日 23時) (レス) id: 8227ed20e2 (このIDを非表示/違反報告)
凌雲(プロフ) - 完結後にすみません。とっっっっっってもサイコーなお話でした！ジャミルくんかっこよかったです………これからも応援してます！！ (2021年7月22日 14時) (レス) id: 080dfab701 (このIDを非表示/違反報告)
南瓜(プロフ) - 魔朝@Bscさん» お気遣いありがとうございます！シルバーくん美人すぎますよね……次作もなるべくご期待に添えられるよう頑張りますね！ (2021年6月23日 10時) (レス) id: 8227ed20e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：南瓜 | 作成日時：2021年5月31日 17時
