行方.1 ページ26
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エイブは、子供達を連れてアジームの屋敷まで来ると、急いでジャミル部屋の窓まで登っていった。エイブが素早く壁を登っていくさまを、子供達は下から見守っていた。
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ジャミルはカリムの宿題を見てやっていた。ホリデー明けの小テストでカリムに良い点数を取らせるため、朝から付きっきりで教えていた。
カリムが設問に頭を抱えていると、窓の外がなにやら騒がしいのに気が付いた。集中力の切れたカリムが窓を見ると、エイブが窓を叩いているのが見えた。
「お！エイブー！お前どうしたんだ？」
カリムが嬉しそうに笑ってそう言うと、ジャミルもエイブの姿に気が付いた。カリムが立ち上がろうとするのを、ジャミルは「お前は宿題をしてろ」と言って座らせた。
もしかしたらAが会いに来たのかと思い、秘かに心を踊らせたジャミルは、窓を開けてAの姿を探した。しかし、どこにも彼女の姿は見当たらず、代わりに下から２人の子供がこちらを見つめていた。
ジャミルは期待を裏切られた気分になったが、エイブの様子がおかしいことから、緊急事態であることを察した。
「……エイブ、何があった」
エイブは身振りと手振りでAのことを伝えようとするが、猿の言葉が分からないジャミルはただ首をかしげるばかりだった。
すると、見かねた子供達が切羽詰まった様子で叫んだ。
「おねえちゃんが……！こわい人たちに捕まっちゃった……！」
それを聞いた途端、ジャミルとカリムは血の気が引いた。
子供達の言う“こわい人”という人物には、心当たりがあった。
カリムは立ち上がって「Aを助けに行こう」と凛とした声色で言った。ジャミルはもちろんその気だったが、主人であるカリムに怪我をさせるわけにはいかず、彼にはここで待っているよう伝えた。
むくれるカリムをよそに、ジャミルは指笛を吹いて絨毯を呼んだ。話を聞いていた絨毯は素早く飛んでくると、ジャミルとエイブを上に乗せた。
窓から飛び出し、子供達のもとまで下りてくると、ジャミルは子供達の頭を撫でて「安心しろ、Aのことは俺が必ず助ける」と言った。
子供達は大きく頷くと、「おにいちゃん、がんばってね」と言って、持っていたヤムイモを１つ、ジャミルに手渡した。
高価な食べ物というわけではないが、子供達からの温かい気持ちがこもったそれは、そこらの宝石より何百倍もの価値があった。
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南瓜(プロフ) - バレーボールさん» ありがとうございます！！そんな風に言って頂けて本当に嬉しい限りです……！皆さまのおかげで星も赤くして頂けたので、いつかそのお礼も兼ねて番外編を書こうかなと思っています！少し時間がかかってしまうと思いますが、気長にお待ち頂けると幸いです！ (2022年4月1日 19時) (
レス) id: 8227ed20e2 (このIDを非表示/違反報告)
バレーボール - 一番いい形で完結していると心の中では思っているのに・・・・・・すっっっっっっごいその後の続きが気になってしまった・・・・・・。とても面白かったです！ジャミル最推しなのでこの作品に出会えて光栄です！ありがとうございました‼️ (2022年4月1日 9時) (レス) @page36 id: d448fd1791 (このIDを非表示/違反報告)
南瓜(プロフ) - 凌雲さん» コメントありがとうございます！！応援もすごく励みになります！サイコーだなんて言って頂いて、もう本当に嬉しい限りです！(≧∇≦)現在書かせて頂いているシルバーくんの作品もありますので、もしよければそちらも目を通して頂ければと思います！！ (2021年7月23日 23時) (レス) id: 8227ed20e2 (このIDを非表示/違反報告)
凌雲(プロフ) - 完結後にすみません。とっっっっっってもサイコーなお話でした！ジャミルくんかっこよかったです………これからも応援してます！！ (2021年7月22日 14時) (レス) id: 080dfab701 (このIDを非表示/違反報告)
南瓜(プロフ) - 魔朝@Bscさん» お気遣いありがとうございます！シルバーくん美人すぎますよね……次作もなるべくご期待に添えられるよう頑張りますね！ (2021年6月23日 10時) (レス) id: 8227ed20e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：南瓜 | 作成日時：2021年5月31日 17時
