長生きの手紙～桜吹雪が舞う頃に～【オリジナル】 (ページ31)

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あれからまた一年たった今日。

私たちは結婚した。

結婚式を挙げた。

結婚式には修も呼んだ。

写真だけど、そこにいることが大事。

笑顔だったなぁ。

今は、結婚式は終わり、草志(そうじ)と夕焼け色の空を眺めている。

「めっちゃ綺麗だね、乃咲」

純白のスーツを着た貴方が話かけてきた。

「本当ね、桜吹雪といい感じにマッチしているわ」

純白のウェディングドレスを着た私は返事をする。

あの日みたいに桜吹雪が舞っている。

「草志」

「何？」

この風景をを見ていたら、あの日彼が"桜吹雪が綺麗でしょう"といった日、

草志が想いを伝えてくれた日を思い出し、伝えたくなった。

「私、二年前、すごく悲しかったの。

葬式の時は、幸せにならなきゃって決意してたから、大丈夫だったけど、

毎日会っていた、手紙で話していた彼がいない現実に向き合わされて、辛かった。

それはなかなか消えなかった。

今でも消えないわ。

でもね、」

私はここでいったん間を置いた。

そして草志と向き合い

「あの日貴方が想いを伝えてくれて、少し気持ちが晴れていった。

そしたらまた、たくさんの幸せが訪れるようになったの。

すずらんの花言葉みたいに」

すずらんの花言葉は"幸せの再来"

「ありがとう」

「こちらこそ、ありがとう」

草志は私の手を取り、

「これからもたくさんの幸せを連れて来るよ」

と微笑んだ。

私は泣き笑いで

「幸せになろう」

「あたりまえでしょ」

修、私は幸せよ。

修も幸せよね。

これから辛いことがあるかもしれない。

でも大丈夫。

草志とならやっていける。

修のおかげで気づけた。

全てが"奇跡"だって。

だから、一分一秒大切に生きていくわ。

修、

私を幸せにしてくれてありがとう。

長生きの手紙がなかったら、

今の私はいない。

ありがとう。

―――大好きだよ

―――一生忘れないから

―――一緒に幸せになろう