129時間目 ページ29
No side.
「･･･貴方は僕を“覚えていない”だろうね。でも、僕はそれでも“いい”」
少女は話し始めた。目の前にいる超生物に向かって。
「この２年間。死に際を見てまでも必死に探した。認めて欲しくて、その姿をちゃんと見たくて」
Aはマントを脱ぎとる。
上はノースリーブ。下は短いズボンに太股にはナイフが仕込まれたレッグシースとレッグホルダーが着いている。
Aのマントの中は彼女の特性を生かした格好でスピード重視だが、悪く言えば無防備だ。
露出部分が多い為、隙を突かれた場合はすぐにやられてしまう。
彼女の暗殺は何時だって「捨て身」なのだ。
「貴方はいつも言っていた。『それで私の後継者を名乗るのか』と」
「！！」
Aの言葉に超生物が反応する。
「･･･貴方が僕を殺さなかった理由が『自分の正体を握っている』。･･･ただそれだけ、それだけの理由だって知ってた。愛がないのも知ってた。でも、それでも良かった」
Aは次に手に持っていたナイフを捨て、腰に付けていたポーチを外した。
「僕を助けてくれた。･･･その事実は変わらないから」
Aが超生物の目の前で歩みを止めた。
Aは超生物を見上げる。
「僕は貴方を救うために生きてきた。･･･やっと、それを果たすときだ」
Aの頬に何かが伝う。
Aの姿は超生物のお陰で生徒達には見えない。
Aの手が超生物に伸びて、『触れた』。
「＿＿＿やっと触れられた･･･っ、『兄さん』」
＿＿＿少女の声は震えていた。
その表情は今までに見たことのない表情で超生物を見ていた。
「逃げてごめんね･･･っ。僕が弱かったから、兄さんがこんな姿になってしまったんだよね･･･っ」
Aは超生物に飛びついて、泣き声でそう言った。
顔を埋め、端から見れば甘えてるように見える。
「大丈夫だよ･･･、僕が絶対に人間に戻してみせるから･･･っ。兄さんを殺そうとするものは全員殺すから･･･っ」
・
「＿＿＿やっと貴方の口から聞けました」
「･･･え？」
「忘れるはずがないでしょう？･･･(人1)」
「！！」
Aが驚きの声をあげ、超生物を見上げる。
「＿＿＿ありがとう、(人1)」
「･･･ぅ、うぅ･･･っ」
＿＿＿少女の泣き声が響いた。
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恵野(プロフ) - 柊りあさん» いえいえ！むしろありがとうございます泣 更新は現在時間が取れず出来ないのですが、今週の土日には時間ができるかもしれないので、その日を予定してます！ (2020年1月14日 21時) (
レス) id: d3fd993259 (このIDを非表示/違反報告)
柊りあ(プロフ) - 更新頑張ってください！一からまた読み返したんですけど、やっぱり面白い……!!応援しています！(何回もコメントするの、しつこいですかね？) (2020年1月14日 20時) (レス) id: 18aaf501b2 (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 柊りあさん» コメントありがとうございます。更新出来ない期間が長かったので、書いた内容を覚えておらず曖昧な所もありますが…汗 これからも見てくれると嬉しいです！ (2020年1月4日 14時) (レス) id: 6bb0d67502 (このIDを非表示/違反報告)
柊りあ(プロフ) - この作品、面白くて好きです。これからも頑張ってください！ (2020年1月4日 14時) (レス) id: 18aaf501b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年10月24日 17時
