195 ページ45
次の目的地は福岡。
なんとも、円堂大介のノートがそこにあるのだという。
「福岡か･･･」
「どうしたんや、A」
「いや、懐かしいなって」
Aは窓の外の景色を見ながらそう言った。
Aはフットボールフロンティア小学生部門全国大会選別会に四年連続で呼ばれていたので、その度福岡に訪れていた。
「元気にしてるかなー･･･」
「お友達でもいるの？」
「従兄弟がいるんです。去年までは合っていたんですけど、引っ越した後から全く･･･」
前の席に座っていた秋がAに声をかけてきた。
Aは秋に従兄弟の存在を話す。
「もしかしたら陽花戸中にいたりして！」
「それはないだろ〜」
春奈の言葉をAは軽くあしらう。
と、古株がそろそろ目的地に着く、と言った。
「そんな偶然、あるわけないじゃん･･･」
Aは背もたれに背中をつけ、そう呟いた。
・
陽花戸中はどうやら雷門中のファンらしい。
そして、円堂の大ファンがいるらしい。
「A、いた？」
「いるわけないじゃないですか。そんなに世界は狭く･･･」
Aは塔子に従兄弟はいたか、と聞かれ、いないでしょ、と答える･･･つもりだった。
「おーい立向居！円堂君だぞー！」
「･･･え」
Aは皆が視線を向ける方へ目をやる。
Aの視界に入ったのは･･･。
「ゆ、勇気･･･！？」
Aは背の高い男子の後ろに隠れ、顔を真っ赤にしている少年･･･立向居勇気をみて驚きの声をあげる。
世界は狭かった。
「(手と足が同じになってるし･･･。というより何あの顔！！乙女かよ！？)」
Aは立向居を見ながらこんなことを思っていた。
そして、立向居の練習着を見て、更に苛つきが増すA。
「(しかも何あの格好！！MFだったはずなのにあれじゃあGKって言ってるのと同じじゃん！！)」
Aの近くにいるチームメイトが、Aのオーラに引くように見ている。
遂にAの堪忍袋の緒が切れた。
「MFからGKに転向？･･･どういうこと、勇気？」
「えっ、A！？」
Aは立向居の所まで歩き、立向居の肩を掴む。
「兄さんを裏切ったのかあああ！？」
「なんでお前が雷門に！？」
「･･･二人は、どういう関係なんだ？」
Aと立向居のやりとりに苦笑いしながら円堂がそういった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» ありがとうございます…！ 中々更新に手が回らず、ずっと下書き状態で止まってるものばかりですが、作ったからには完結させたいと思っていますので、お時間あるときに覗きに来ていただければと思います！ (2023年3月12日 15時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
死神瞳羽(プロフ) - 恵野さん» 他の作品も楽しみに待ってますね！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: dad027b2bd (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» キャラの特徴掴めてましたか…！？ 所々こんな一面もありそうだなっていう想像や捏造がほとんどでしたが、違和感なく思えていただいてたみたいでよかったです！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
死神瞳羽(プロフ) - 恵野さん» いえいえ、恵野さんが作る作品は、面白いところもあるしキャラもちゃんと掴めているので見ていて、尊敬できます！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: dad027b2bd (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» まだまだ拙い部分がありますが、そう言って頂けるとは感無量です泣 (2023年3月12日 15時) (レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恵野 | 作成日時：2019年8月25日 19時
