171 過去編 ページ21
中国側GKは、去年僕たちの必殺技を破った人だった。
同点に持ち込もうと、後半戦終了間近に賭けで打ち込んだ“ツイン・エンジェル”を止めた張本人だった。
彼の必殺技、“竜飛鳳舞”によって、僕たちの“ツイン・エンジェル”は破られた。
でも＿＿＿
『“ツイン・エンジェル”はあの時よりパワーアップした！！君の“竜飛鳳舞”を破る為に！！』
“ツイン・エンジェル”は兄さんが僕に合わせてくれているところがあった。
それがなければもっと強い必殺技なのに、僕が足を引っ張っていた。
その溝を塞ごうと、夜な夜な練習に打ち込んでたんだよね。
けど、兄さんは目を瞑っていてくれた。
その期待を、僕は裏切るわけにはいかないんだ！！
『･･･面白い！受けてやろう！！“竜飛鳳舞”！！』
“ツイン・エンジェル”に向かって立ち塞がるように現れた五つの巨大な岩。
その岩を“ツイン・エンジェル”は四つ破壊し、突破した。
しかし、最後の難関である、一番巨大で頑丈な岩。
前はここで負けた。でも、この勢いなら･･･！
『･･･ッ何！？』
長らくの防戦の末は＿＿＿
・
『ゴオオオオォォル！！“ツイン・エンジェル”が中国ゴールに一直線！！天使は再びこの会場に舞い降りました！！』
＿＿＿湧き上がった歓声と実況者の声が会場中に響き、僕たちが一点を勝ち取った事を思い知らせた。
去年の思いを、ここで晴らすことが出来たのだ。
僕は喜びのあまり、飛びつく勢いで兄さんの元へ駆けていった。
『兄さん！やったっ、やったよっ！！』
そう言いながら兄さんの元へ行くと･･･。
『ごほっ、かはっ･･･』
苦しそうに肩を上下させ、口に手を当てて咳き込む兄さんがそこには居た。
『兄さんだいじょ･･･』
僕は駆け寄って、兄さんの背中をさすろうと手を伸ばした。
その時、僕は見てしまった。
＿＿＿兄さんの長い指の隙間から流れ出てきた“赤い”液体に。
僕の方に倒れてくる兄さんの身体。
僕の力では兄さんの身体を支えきることができず、一緒に倒れてしまう。
尻もちをついた僕の肩に兄さんの顔がのる。
その瞬間に感じた生暖かい感覚と同時に、その部分だけ濡れていく感覚。
気になって兄さんの方を見ると、すぐにその正体が分かった。
＿＿＿その正体は、兄さんの口から吐き出された“血液”だった。
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恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» ありがとうございます…！ 中々更新に手が回らず、ずっと下書き状態で止まってるものばかりですが、作ったからには完結させたいと思っていますので、お時間あるときに覗きに来ていただければと思います！ (2023年3月12日 15時) (
レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
死神瞳羽(プロフ) - 恵野さん» 他の作品も楽しみに待ってますね！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: dad027b2bd (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» キャラの特徴掴めてましたか…！？ 所々こんな一面もありそうだなっていう想像や捏造がほとんどでしたが、違和感なく思えていただいてたみたいでよかったです！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
死神瞳羽(プロフ) - 恵野さん» いえいえ、恵野さんが作る作品は、面白いところもあるしキャラもちゃんと掴めているので見ていて、尊敬できます！ (2023年3月12日 15時) (レス) id: dad027b2bd (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 死神瞳羽さん» まだまだ拙い部分がありますが、そう言って頂けるとは感無量です泣 (2023年3月12日 15時) (レス) id: 78dc1b910c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年8月25日 19時
