44時間目 ページ44
夏休みなのに何故学校に呼ばれたのか。
･･･まあ呼んだのはイリーナだけど
というか＿＿＿
「ロヴロ･･･貴方がいるとはね」
「久しぶりだな、レオン」
「えっ、師匠と(人1)、知り合いだったの！？」
「何で知らなかったのか僕が訊きたい」
久しぶりにみたロヴロは老けてた。ロヴロも年なんだな･･･。
「それよりも･･･、彼奴らと連絡がつかないって本当？」
「ああ。お前だけでも連絡がついて良かった」
そう言って僕に柔らかい表情(周りはきっと無表情に見えている)を向ける。
･･･この人、僕の事を孫扱いしてくるんだよね･･･。確かにまだ未成年だけど･･･。未成年だけど！！
呼ばれたからには、今までやっていなかった訓練と言うものをやってみますか。
「射撃、か。最近やってないから腕が鈍っていそうだ」
「そうなの？」
「うん。僕は接近戦が好きだからねぇ」
偶然隣になった不破がそう言った。
「まああれくらいなら･･･」
銃を構え、発砲する。
発砲した方向は＿＿＿
「っ！？」
「あっ、ごめん速水。僕の打った弾が全部君の邪魔をしたみたい」
「別に･･･」
風船に向かって発砲した速水の弾だ。
あ、勿論その反動で他の人に当たらないように、当てる角度も計算済み。
だって怪我させたたらターゲットに怒られちゃう。
「流石だな。お前に弱点があるのか疑うな」
「ふんっ、この僕に弱点なんて･･･」
ない、とロヴロに言おうとした瞬間。
「彼女の弱点は五教科以外の実技教科の筆記です」
「竹林、貴様っ！！」
不破の隣にいた竹林が眼鏡をクイッと持ち上げ、光らせながら言った。
しかもそれに続いて･･･。
「しかも此奴、家庭科俺等に負けてるからな！！」
「うっ、何も言えない･･･」
寺坂がいかにも馬鹿にしているような笑みでそう言った
くそぅ･･･。寺坂達に家庭科負けているから何も言えない･･･！
「･･･お前も大変だな、レオン」
「本当、ここに来てから調子狂いまくりだよ･･･」
疲れて項垂れていると、僕の隣にいた渚がロヴロに話しかける。
「一番優れた暗殺者ってどんな人なんですか？」
その言葉に僕は目を見開く。
そんなのこの世にただ一人しかいない＿＿＿
「「『死神』と/だ」」
僕とロヴロの声が重なった。
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作者名：恵野 | 作成日時：2019年6月7日 21時
